【レビュー】ASCIIWARE ASCII SPHERE 360゚ 前編

360゚の、ままならなさ。
 気持ち新たに一歩を踏み出すには最高のタイミング、だとは思うモノの景況感のみならず自身の立ち位置の危うさに恐々としながら年末年始最後の休日を堪能。烏丸です。

 いやー昨年、特に昨年の後半は本業の方に気をとられてしまって肝心のブログ活動がおろそかに。一時はブログの閉鎖を考えたりしたものの、テーマとなる駄目なコントローラの収集に関しては飽くことなく継続中、ってんでココで止めてしまっては手元にある優秀な駄目コントローラが日の目を見ることなく町田の山奥にひっそりと埋もれてしまう・・・ってんでキモチを新たに。


 ※無くても困らない、ってのも節ブログのコンセプトかもしれませんな
 ※コントローラ的にも、情報ソースとしても


 さておき、購入しただけで開梱されることもなく拙宅のコントローラ置き場に放置されるコントローラも多いんですな。放置される理由は結構簡単な話でして、一番多いパターンが、動作環境が構築しづらい。

 今回は、動作環境が・・・という理由で長年放置されつつ、いざ文字通りフタを開けてみればそんなでも無かった。そんなコントローラを、ヒトツ。


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"ASCIIWARE ASCII SPHERE 360゚"

 強烈なデザインに"ASCII"の社名が興味をそそる逸品、"ASCII SPHERE 360゚"であります。

 プラットフォームはプレイステーション、時代的には初代、形状からご想像いただけますと通り、初代プレイステーション期にアナログコントローラ発売された時期の製品、なんですな。

 とは言え、この製品を国内で見たことが有る人は恐らく極少数。同時期に数々のコントローラを発売していたアスキーですが、当該製品に関しては北米市場向け。烏丸は奇跡的に、秋葉原の海外ゲーム専門店で入手した、という経緯。


 さてさて、長い前置きはひとまず。どういう製品なのか? 果たして製品名に冠されている"360゚"の意味とは?


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 フツーな正面6ボタンのコントローラ。

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 なんて名乗りたくても決して許してはくれない存在の球体。左様、この球体こそが"360゚"を指すギミックに他ならない・・・んですが、これがまた相当な難物でして。


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 ここで付属の"Owner's manual"を参照してみますと、

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 巨大な球体の名称は、"Power Sensor Ball"。力玉! 球体を表す"SPHERE"が製品名に使用されているのにも関わらず、部位単体では"Ball"なトコロに違和感。

 ともあれ、この主役玉には事細かに持ち方まで指定があるんですな。


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 "DO NOT GRAB THE BALL!(タマタマを握らないで!)"と書かれておりますように、当該玉を持つ時には「つまむ」が如く。なんか押しつけがましいようですが、この「つまむ持ち方」が体験的に響くのが、やはり説明書の指示書き。これもまた大分細かく書かれてまして。。。


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 曰く、この球体を人間の頭部例えて"Ball"自体の部位を解説。鼻有り・耳有り・頭頂部に後頭部、となるほどコントローラとしては前例の無いインターフェースだけに妙に力が入ってる。

 で、これらの部位の"比喩表現"は、実際のデバイスにも記載されているかと言いますと・・・こちらは、少々"Cool"なアイコンが刻印されているんですな。


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 まぁ実際に使用する際にはこのアイコンを確認しながら、ってコトは無いんですが、(多少行き過ぎた)未来的なデザインが素敵。



 ほいではココで、マニュアルの内容から少々離れて・・・パッケージに有る対応ソフトの件を。


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"OPTIMIZED FOR ..."

 対応ソフト、というか曰く最適化されたゲームの筆頭に列挙されているのが上記。
 "NFL~"の名前が如何にも北米然。じゃあ国内に対応ソフトは無いのか、と心配になりますが、見覚えの有るタイトル、"FORSAKEN(フォーセイケン)"。


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 後ほどマニュアル別紙に記載されたメーカー側での対応タイトル一覧にも触れますが、そこにも"Native"対応に挙げられている"空中浮遊"FPSであります。

 で、この"FORSAKEN"。
 烏丸所有のものは国内版。付属のマニュアルに記載されている操作方法はご想像の通り、


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 アナログスティック2本を使用した操作方法のみ、といっても左右のアナログに加えてLRや方向キーまでもが自機の操作用に借り出される総員突撃体制。 ・・・っていうか、アナログ無しの初代コントローラに至っては、"SELECT"と同時押し、とか設計した人はどーかしてるんじゃないかしら・・・ともあれ、コントローラにあるスイッチ全てを駆使して、ポリゴンで構成されたダンジョンを華麗に飛び回れ、という。


 では当該コントローラ、つまり"ASCII SPHERE 360゚"は如何に"Native"対応を果たしたか・・・と、言いますと。


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前進・後退

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左水平移動・右水平移動

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上昇・下降

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右回転・左回転

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LookUP・LookDown

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右ロール・左ロール

 実に直感的ッ!
 ・・・と、感嘆の声を上げてしまうんでありますな、いや実際に操作してみた感想を置いといて、単にこのギミックの設計思想だけにスポットライトを当てる、ならば。

 最初にこの"Ball"部をご紹介した際に、このタマタマが人間の顔に見立てられているお話をしましたが、それが生きてくるのが

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 この"右回転・左回転"時の操作方法。
 コンシューマゲーム機、特にアナログスティックを搭載したコントローラをデフォルトとするFPSなんかでは、右を向きたい(=照準を右に向けたい)時にはアナログスティックを右に傾ける、つまり客観指示が常道。

 しかしながら、このコントローラで言うところのアナログスティックである"Ball"は「顔」。右に向きたい時は、顔自体を右にひねる、つまり主観指示。

 一般的なアナログスティックはアレはアレで完成されたカタチ、だと日頃より納得していたものの、なるほどこれはこれで(表現ヒトツとは言え)理にかなっている不思議。




 実際、ゲームプレイ開始直後こそ、アナログスティックを操作する感覚で向きたい方向と逆に向いてしまう苦労に文字通り右往左往しものの、この球体をゲーム中に操作している自機自体と考えるようにしてみたらば・・・実に自然な感覚。なるほど"Native"。


 しかしながら理想と現実、というかコントローラ自体が描いてくれた理想のコントロールデバイスに、肝心の手が追いつかない現実。


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 それがこのページで言うところの、"後退"操作。
 いや"前進"はいいんですよ大丈夫何です左手の薬指と小指でグリップ部を支えながら親指で押すだけだから。

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 ですが"後退"操作では中指で後ろ側から押す際に、左手側でサポートしてくれる指がないんですな。(左手親指は"Ball"の正面に添えちゃっているので指示不能) なので右手のサポートを頼ることになるのですが、右手の親指は押される対象の"Ball"からは若干の距離、そのため支えるには力不足・・・だもんだから、この"後退"動作のために

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 わざわざ左手の親指を移動しないと難しいという。


 もうヒトツ、操作が難儀に感じるのが、


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 "右水平移動・左水平移動"。
 タマタマを顔に見立ててその左耳、を押しこんで"右水平移動"。右耳押すには左手の指が届かないので鼻と後頭部を中指と親指で押さえながら左方向に引っ張ることで"左水平移動"。

 上記動作の内、どうにもやりづらいのが前者、"右水平移動"。

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 この左耳をグイと押す、というルールは分かるのですが、いざ"Owner's manual"指定の持ち方で押すとなると人差し指の付け根がホットスポット。

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 これまたコントローラ操作で普段使わない部位なもんですから、力の入れ方の難易度の高いこと高いこと・・・軽く押したら動かざる事山の如し、強く押したら風の如く自機がすっとんで行くままならなさ。


 人間、億劫なモノを無意識に拒否するらしく、この"後退"・"右水平移動"操作の難儀さのせいで、実際にゲーム中も行き止まりに出くわしたり自機が壁に張り付いた際に、どーしても"後退"ではなくモタモタと旋回行動をとってしまうのですが、そーすると旋回中に蜂の巣。
 プレイ中も気が付けば待ち伏せっぽい"Negative"行動に走りがちに。ゲーム自体はダンジョンFPS、加えて自機が(見えないけど)エアバイクと烏丸好みなものの、何とも"360"よろしく縦横無尽に飛び回るには結構な荒行が必要、という結論。


 さてさて、もはや蛇足感があるのですが、方向キー及び右手担当ボタン群について。


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 "ASCII PAD(アスキーパッド)"という名称で国内ではお馴染みの形状。
 手元にある同形状のそれと比較すると、若干ストロークが深め、ですが誤差の範囲。それよりも、このタマタマの存在のせいで、一般的なアナログスティック搭載のコントローラよりも蔑ろ(ないがしろ)にされてる感じ。

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 実際、グリップ位置を変えるコトを考慮すると、タマタマに添えた手を咄嗟に方向キーに添えるのは難し目。(ひょっとしたらこの部分もアングロサクソン向け仕様なのカモ)


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 "○×△□"に加えて出張中なのは"L1"・"L2"ボタン。
 左手がタマタマに夢中、もといかかりっきりなので当然の措置。6ボタンの右側に配置しなかったのは、実に賢い判断ですな。


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 一瞬、"R1"・"R2"が一体型なのかと慄然としたんですが、フツーに分離している"R1"・"R2"。
 表面積のワリにはスタピライザーの様な仕組みがない為、押し心地は今ヒトツ。多用するゲームだと粗が出てくるカモ。


 と、巨大なセックスシンボルタマタマの存在感に他の部位が霞んでしまう逸品。正直、慣れるための荒行さえ乗り越えてしまえば相当な没入感というか一体感が得られそうなインターフェースであります。

 が、今回はここまで。次回は、


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 この"Mode Switch"について言及予定。(日程は未定)

 刮目して待て次号ッ!
by karasuma_usb | 2010-01-04 21:18 | コントローラ

変なコントローラを千切っては投げ千切っては投げ。


by karasuma_usb
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