【レビュー】SEGA HKT-7700

 いよいよ梅雨を予感させる曇天を見上げながら烏丸です。いやどーにもこの時期ってーのは欝傾向。平日は終日職場で過ごすワケで、それほど天気も気にならないのですが、6月ってーのは土日も雨でつぶされたりしますからな。自室で陰々欝々と過ごす日々はネガティブシンキングに陥りがち。

 さて読者ちゃんの中には今年の春から新社会人として新たな一歩を踏み出した人もおられるんでしょうか。しかしこの5月~6月ってーのはその踏み出した足をちょうど挫いたり捻ったりしちゃう時期でもあります。
 新社会人であったこの時期、烏丸は就職先の社員寮におりました。学生時代も近場の学校ばかり通っていた烏丸としては、もーいい加減親元を離れて一人で生活したかったんですな。

 で、その社員寮。「寮」ってだけあって、あんまり良い物件じゃなかったり。
 幹線道路に近い&線路に近い→うるさいはホコリっぽい、1Kでユニットバス、備え付けの家具(ベッド&タンス)のせいで持ち込める家具に制限がある、ベランダの真下がプロパン倉庫などなど、孤独死するにはもってこいの良環境・・・いや寮環境。
 中でも一番気に入らなかった備え付けの家具。使い慣れたベッドやらタンスを持ち込めなかったは痛かった。まぁ確かに引越しのときに手間が省けるといえばそーなんですが・・・。



 結局入寮1年ちょっとで引越しを決意。自力で新宿近辺の不動産屋を回ったり賃貸情報誌を見て思ったんですが、最近の独身用賃貸物件って案外「備え付け」家具が充実してるんですな。使わないときには壁にしまっておけるベッドやら、ロフト収納やら床下収納。CATVどころか光回線まで用意されちゃったりして。最初から付いている=リプレイス出来ない以上、それなりのクォリティのモノで無いと入居者は困るワケで、そのあたりの配慮が社員寮には欠けていたんでしょうな。





 さておき、例によって長い枕もほどほどに、今回の御題はこれ。
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 SEGA製コントローラ「HKT-7700」であります。
 って、なんのことはないドリームキャストの純正コントローラですな。

 ドリームキャスト(以下ドリキャス)は「現時点で」でセガ最後の据え置きハード。SG-1000~メガドラでは任天堂に、サターンではソニーに大敗を喫し、自虐ネタを織り込んだ背水の陣的広告展開で挑んだ製品・・・なんですが、その結果は現在の状況でお分かりいただける通り。なんでドリキャスが失敗したか、ってのは他のサイトなりWikiなりをご参照いただくとして、ゲパ地下では当たり前ですがコントローラのみをフォーカスしていきますよ、と。



 で、ドリキャスのコントローラですが、その誕生はまず同社の「マルコン」有りき。
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 サターンのワリと後期に発売されたアナログ付きのコントローラですな。サターンの純正コントローラを踏襲しつつ、LRのアナログ化と排他制御のアナログ入力を装備。傑作ゲームとの呼び声高い「ナイツ」付属のコントローラでもあります。ドリキャスのコントローラを語る上で避けて通れない比較対象として合わせてご覧いただきたく。

 さて今日の主役はドリキャスのほう。プレステ登場以前のコンシューマゲーム業界では、方向キーが「十字型」で有ることが使いやすいコントローラの代名詞的な風潮がありましたが、残念それは任天堂の特許。そうなりますと各社はこぞって十字キーを超える形状を試行錯誤するワケですが、セガがたどり着いた答えはメガドラ→メガドラ2でリファインされてサターンで完成を見たコマ型形状・・・だと思ったら、ドリキャスではなんとプライドをかなぐり捨てて十字キー。
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 ドリキャス発表時には各界に衝撃が走りました(大袈裟)が、どうやらしっかりとした根回しの上で実装されたようで、先日のPS3のモーションセンサの一件のように訴訟沙汰にはならなかったご様子。これは想像ですが、プレステ一人勝ちのあの当時、任天堂はロクヨンで大ゴケしていたワケで、「敵の敵は味方」であるセガに使用を許可した、ってことなのカモ。

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 とはいえ、実際は本家十字キーのテイストとは若干異なる触り心地。
 本家の十字キーは押しなべて「平面に配置」されてましたが、ドリキャスのそれは微妙に曲面上に配置されちゃってるんですな。上下左右各方向のストロークはそれほど異なるワケでは無いにせよ、本家の感覚をそのまま持ち込めているかというと疑問。
 かつ、ストロークが深め。硬さは本家のそれよりソフトではあるのですが、なんともグニグニした感じが正確さを感じない作り・・・うーん。

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 こちらはマルコン。サターン準拠というか同一パーツを使用していてタッチも良好。とはいえ円形形状の都合で若干中心よりに配置されてるんですな。親指の先というより、第一関節が当たる位置にあるのがネックといえばネック。
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 アナログに関しては後発のドリキャスに軍配。
 先端の滑り止めのエンボス加工と稼動範囲のバランス、ソニーのデュアルショックのように大して使わない右側アナログスティックを実装しなかった点などは、コストの観点からも成功だったのカモ。
 対してマルコンの方は、回転部分である半球と親指接地部分の距離が短い分、若干固め。中心に戻る反動も強く、まだこなれていない感じ。

 ところでこのアナログ、前述しましたがデジタル方向キーとは排他になります。
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 これがそのスイッチ。実はサターンのアナログ入力はデジタルを分解? したものらしく、同社のミッションスティックも実はデジタルを料理したものなんですな。ちなみにアナログ入力を使えないゲームでは、通常のデジタル方向キーとして使えます。いや使いづらいけど。


 続いてボタン。
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 ものの見事に2×2配列でそれぞれにポッチ付き。
 白サターンでもライトユーザー取り込みのためにポップなボタンカラーを導入したことがありましたが、ドリキャスのそれは明らかにスーファミのオマージュ。ABXYというボタン名称からもそれが伺えるんですが、スーファミと異なるのはABの順序。ファミコン以降、外側のボタンが決定で内側のボタンがキャンセル、というスタイルが染み込んでしまっている世代には、非常に困惑する配列。システムメニューなんかで時刻設定する時に、意図しないところでキャンセルされまくって非常に鬱陶しい。 メガドラではABCの3ボタンのうち、AまたはCが決定でBがキャンセルという、ある意味ユニバーサルに配慮されていたワケですが、プレステユーザー取り込みの為に持ち味を忘れてしまったということなんでしょーか・・・うーん。

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 こちらはマルコン。メガドラ6Bパッドから面々と受け継がれる3×2配列ではあるものの、BとYにはポッチなし。ポッチの不在は慣れへの考慮の結果からなのかチト残念。6ボタンという配列自体はスト2以降の格闘ゲームでの使用を重視しなくても、ゲーム側でのアサインの選択肢が多いという点で2×2よりも有利な感じ。この点に関してはサターンで完成されていたと、烏丸は思ってるんですが・・・なぜにドリキャスでは?


 さらにLRボタン。
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 こちらがドリキャス。
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 こちらがマルコン。
 これはドリキャスもマルコンもトリガー型。ドリキャスのコントローラもマルコンと同様に、背面がグリップ形状なのでこの形状はマルコンから踏襲した、ということなんでしょうな。実際の押し心地もマルコンのそれと同様。


 ようやく最後に背面部分。
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 ドリキャスのコントローラ最大の特徴。ビジュアルメモリ(メモリーカード)の差込口が2つ。まるでデンドロビウムみたい。で、コントローラ前面の窓にビジュアルメモリの液晶が露出する仕組み。ゲームによってはこのビジュアルメモリにミニゲームをダウンロードしてプレイできたりしたわけですが・・・なんかどれも似たようなのばっかりでパッとしませんでしたな。他にもゲーム中にステータス表示させたりと夢は広がったのですが、広がるころにはドリキャスが終了、みたいな。
 ところでメモリーカード液晶付きメモリーカードではソニーのポケットステーションより先に発売することに成功したワケですが、ポケステのほうも「どこでもいっしょ」以外はそれほどのヒットにならず・・・やはり携帯機となると任天堂の独壇場だった、というコトなんでしょうな。

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 こちらはマルコン。
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 なんとコネクタが着脱式。
 おそらくはケーブルコネクタとの差し替えでワイヤレス化したり振動対応したりする予定だったと思われますが、対応周辺機器は発売されず・・・USB変換コネクタとは発売されませんかね?

 そうそうもう一点。
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 ビジュアルメモリを上部から差し込む以上、ケーブルはコントローラの下から生えているワケですが、実はビジュアルメモリスロットの下にケーブルを挟み込む仕組みがあるのをご存知でしょうか。
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 実は烏丸もこのレビューを書くまで気づかなかったのですが、ちょっと感心。



 さぁてスゴい写真点数になってしまって辟易・・・なんですが、やはりマルコンを比較対象に持ってきたのは正解だったのカナ、と。
 読者ちゃんもご存知の通り、商業的にドリキャスは大失敗のハード。原因としては言わずもがな、発売当時、業界全体がプレステ2の発売待ちだったということ。かつプレステ2が下位互換実装のため、発売後もプレステ1のソフトがそのままプレイ出来たこと。 サターンではプレステの後塵を拝していたとは言え、後世に残る名作もたくさんあったわけで、それらのソフトが動かないというのは大変残念。で、あればコントローラくらいは過去の遺産を大事にしてもらいたかったというトコロ。

 ここで最初にお話した「備え付けの家具」の話ですが、本体を集合住宅に例えたとして、その場合、純正コントローラは備え付けの家具。住人から愛されてなおかつ一般的に見ても「悪くない出来栄え」だった備え付けの家具を全廃して、新しい土地にドリキャスという新築物件を建てるにしても、他物件で評判の良かった家具にいっせいにリプレイスするってのは、下位互換以前に過去の住人(ユーザ)のキモチを無視しすぎといいますか・・・そうまでしてユーザー層を再構築したかったんでしょうかねぇ。・・・っていうかそれほど備え付けの家具に執着する住人も居ない気がしますが。

 まぁその新築物件の立つ土地ってのも、将来的に巨大マンションの日陰になることが分かっているワケですからねえ・・・いやこれは結果論ですけれども。






 デザイン  ★☆☆☆☆ セガ故に。
 操作性   ★★☆☆☆ セガ信者じゃなくてもこの十字キーは・・・
 備考    後述
 参考URL メーカーHP



 ところで写真を撮っていて気が付いたんですが、この「HKT-7700」という型番は紛れも無く"Made in Japan"。
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 しかもマルコンまでもが"Made in Japan"。
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 マルコンは生産数から考えると微妙ですが、ドリキャスの後期型コントローラ「HKT-7701」は日本製じゃなかったような記憶。読者ちゃんもひとつ、お手元のコントローラでご確認をば。
by karasuma_usb | 2006-06-05 14:27 | コントローラ

変なコントローラを千切っては投げ千切っては投げ。


by karasuma_usb
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