【レビュー】Wow Technology Inc. WowPen JOY Pen Mouse
2008年 12月 23日
なんて言葉がありますが、実際はエラく筆にこだわったそうですね弘法。モノに拘るかに見せかけてそのモノ自体の質は低目が好き。烏丸です。
弘法の時代は筆、近代になって万年筆、そして現代だとキーボード。文字を書くためのデバイスは変遷、というよりもそのバリエーションをどんどん増やしているものの、いざ「文字を書く」となると愛用のペンがあったりするもんで・・・そんな烏丸もそう。ここ数年の愛用のボールペンは"ユニボールシグノ超極細"。
文具店でウッカリ出会って以来、職場に自宅にと複数常備。特に赤がお気に入りで、それはもう重要なことだろうがどうでもいいことだろうが、さも大事なコトであるかのようにシャープに書ける0.28の赤いラインが素敵。替えのインクも注文しちゃって、末永く使いますぞー
って、思ったら。
まー折れたっつってもクリップ部分? が折れただけなのでキャップを他のにスゲ替えればどーにか、ってスゲ替え元のボールペンがどーなるのって考えると踏ん切りが付かず・・・これって、接着剤で付けたら大丈夫なのかしら。
さて例によって大分話が逸れているようで逸れていないのですよ宣言をしつつ・・・本日の御題はこちら。
エルゴもエルゴ、相当極まった形状。
製品ページによりますと、握った瞬間世界が変わるそうで、仰るとおりこの烏丸も購入店であるカオス館で握った瞬間に「こ、これは・・・ッ」となったクチ。お値段も2980円と実にリーズナブルな点、ちょうど愛用していた"Logicool LX7"に飽きてきたところ、加えて自室を飛び交う2.4GHz電波の混戦具合に辟易していたこともあって即購入。
というワケで現物の画像を例によって・・・順に。
どの角度から見ても一般的なマウスとダイナミックに異なる形状。これまでエルゴを標榜している数々のマウスを触ってきましたが、ここまで「尖った」エルゴは久々。
ご覧の通り、ペンを"握る"ように持つのが特徴。と言ってもペンタブレット程にまんま、ではなくマウスとの中間点にあるような半端さ。でもこれ、絶妙。
このマウスの一番の特徴でもある巨大な突起。この部分が親指と人差し指の間に回りこむような形になっててジャストフィット。恐らくは、手が大きい方には大きい方なりに、小さい方にもそれなりにフィットするファジーなサイズ。
さて握った後は、左側のくぼみには親指を、左ボタンには人差し指、右ボタンには中指(烏丸はホイールを中指操作派)、薬指と小指はマウスパッドとの境目ギリギリの部分でマウス自体のホールドを担当するように自然に落ち着いちゃう、と。おお、アジャスタブルに逃げるのが難しいエルゴマウスで、この中庸さは実に・・・いい。
で、早速ここ3週間ばかり使用中。当初は上記の通り、店頭で触った時と同様に「おおッ!」だったんですが・・・予想通りに"慣れ"が必要ということが判明。
具体的に。
クリック感、ホイールの質ともに良好、なれども店頭で触った時と違い、イザ実際にポインター操作に実使用となると・・・不思議。ボタンを押した瞬間にポインタが左にズレるコトが。極々わずかなのですが、ズレる(ような気がする)。 なーんでかしらと、ハタと手元を見つけてクリック。ああ、なるほど。
ペンを"握る"ような手の形状に合わせてレイアウトされたボタンの「表面」が斜め。
なので"斜め方向"を意識すると、押す指と逆側、つまり左方向、もっと言えば左斜め下方向に力がかかるという。これがポインターがズレる原因。実際には、斜めについていることを意識せず、一般的なマウス同様に真下に押す"つもり"で操作するのが大事な様子。高さの関係なのか、慣れるまで意識的に押さなくてはいけないのは左ボタンのみ。
ちょっとした意識のしかたなので、一度「ああ、こうね」と理解できるとその後は一般的な3ボタンマウスとして使用可能。
3ボタン?
そうなの。
あくまでもこのマウスの"エルゴ"を教授できるのは、左クリックと右クリック、そしてホイールのみを利用する時だけ。前掲した画像をもう一度。
お分かりいただけただろうか。("呪いのビデオ"風に)
正にペンを握るように使っていると、明らかに押せない位置に5ボタン目(後ろ側のボタン)が。人によってはブラウザの"戻る"だとか"進む"、各種ゲームではここに装備切り替えやらのキーマッピングをしている方も多かれとは思いますが、このボタンに指を伸ばした途端、"ペンを握るかのような"快適なエルゴの霊験(?)が失われつつ・・・左様、握りが緩むばっかりに、ポインタの位置がまたしてもズレることに。
ならばッ! ってんで、烏丸なりにイロイロと工夫をこらしてみて、そもそも親指を配置するはずのくぼみのコトを すっかり忘れて、最初からこの2つのボタンに指を添えて操作することをしてみたものの、そーすると本来の快適な握り心地が得られず。いや、操作はできるのですが、手のひらとマウスの間に微妙な空間が出来てしまってなんだろう、一体感のよーなモノが雲散霧消。
うーん、確かに今日日3ボタンのマウス、ってんじゃ売れない、ってのは分かるのですが、どーしてこの位置に・・・せめて親指が収まるところに・・・とは思うものの、それはそれで前述の左クリックに似た現象がおきそう。じゃあチルトホイールに・・・ってのも恐らくは同様の結果、だったんでしょうなぁ。
デザイン ★★★★☆ ボタンの位置をどうにかしていただきたく
操作性 ★★★★☆ あくまでもゲーム以外の用途でならこの点数
参考URL 国内代理店はエバーグリーン
備考 後述
エルゴを標榜するマウスはイロイロ触ってきたのですが、ひさびさにシックリ。な、だけに余剰ボタンの位置だけは本当に残念。
とは言え、FireFoxにしろChromeにしろ、マウスジェスチャーのアドオンなんてゴロゴロしているワケで、そう考えるとマウスのボタンなんて(PCゲームでもしない限り)3ボタンとかでもいいのカモ、なんて思ったり。
ともあれ、ペンを握るかの如く、ってのは名前の通りに確か。なれども、ペンタブレットみたいな使い方は恐らく出来ない(か、ものすごい精進が必要)予感。でも実勢価格2980円。有線マウスをお探しの方には、候補に入れていただいてもいいかもーな逸品、やもしれません。
韓国製だけどな。