【レビュー】Intel Wireless Series "Gamepad Accessory"
2009年 11月 16日
仕事用によーやくUMPC、今だとネットブックですかね、あれの購入を考えている仕事人間。烏丸です。
しかしなんでですかねぇ・・・"仕事用"って割り切った大人の買い物をしようとしているにも関わらず、やれデザインやら解像度やら速度やらにこだわり始めて右往左往。※っていうか英語配列が選択できない時点で、ほとんどの候補が脱落するんですが・・・
今ある候補から、って思うんだけど予算を考えるとうーんうーん。
さてUMPC、といいますとその提唱者にはIntel。IntelっつーとIBM凋落の後に現代の"BigBlue"として君臨している"超"大企業。 UMPCに限らず世の中にあるPC周りの規格の多くを提唱していたり、と大変ハバをきかせている傍ら、意外なところで小さな失敗をやらかしていたり。
今回からしばらく、その「失敗したプロダクト」にスコープ、をば。
ズラり、とこんなの。
青と白、実にッ! 実に統一感のあるデザインが嬉しいキーボードにマウスに・・・
どうかしているデザインのコントローラ。便座? って初見の感想をお持ちになった方も多かれ、とは思いますがなんとも持ち心地がよろしかったりしてなるほど、Intel。
これこの通り"Intel Wireless Series"と銘打った一連のシリーズ・・・から、まずは拙ブログらしくコントローラを、なのですが、単体の画像だけだとピンとこない読者ちゃんの為に、ひとまずは少々比較対象としてはズルいかな、任天堂は"Newファミコン"の純正コントローラと並べて。
この大きさの、差。
重量自体はそれほど、なのですが投影面積の大きさと妙な形状が災いして、容積というか質量以上に大きく感じる形状。これもまぁ、先進のテクノロジーをリーディングするカンパニー、Intelならではのエルゴノミクスデザイン・・・ってスゴイカタカナの量なんだけどこの文章。
ともあれ、形状の異常さは持ったときに氷解、なるほどグリップと本体がシームレスに一体化した、考え込まれたデザインなんだな、と納得。
グリップの角度とボタンの配列、この辺りを適当に作られた製品が多い中、流石のIntelに抜かり無し。握り混んだ親指がキレイに、6ボタンの中央にミート。なのですが・・・ボタン自体のタッチは軽めのクリック感があるタイプ。
ストロークが少々浅いのでまだマシなんですが、グリップに手が収まり過ぎて連打しづらい印象。この辺、連射設定有りのゲームもしくはユーティリティで連射設定を別途利用したほうが良さげ。
※上下段のボタンサイズの違いが、何となくセガリスペクトだったのかと想像
6ボタンから少々目を下ろすと有るのが"MOUSE"と"START"ボタン。
前者はご想像の通り、これを押下することで後述の方向キーがポインタ操作に。ただまぁ、方向キーがデジタル入力なので快適とは、ねぇ。
タッチが独特、方向キー。
コマ型、と言われるタッチ。キーの中央が大きくえぐれているのが興味が分かれそうなトコロ。上下左右を示すエンボスも地味目。また、6ボタンがグリップを握り混んだ親指とミートしていたにも関わらず、こちらは握りの位置が少々不自然。
実際に親指を添えてみるとこんな具合。
親指の進行方向と、"上"が微妙にズレているのが・・・なーんか、気になる。
また、ストロークもボタンの好印象と差異、ストロークが深め。
深さに加えて上下左右のエンボスがはっきりしないのが悪い相乗効果で、操作中に意図しない方向に入ることもしばしば。 うーん、もー少し練り込んでいただきたかったキモチ。
方向キーに寄り添う様に、自然な配置なのが"SHIFT"ボタン。
押しながらどうこう、というのはサイドワインダーシリーズと同様の仕組み。この後ご説明するLRボタンを含めても、トータル9ボタンという大変半端な実装数からすると、確かに有効な機能で計18ボタンがアサイン可能。(そう考えると、まず形状有りきでボタン数が決まったんでしょうな)
最後。
大変大柄なLR。これがまたグリップの形状にフィット。見栄えもそうなのですが、ボタンのサイズとクリック感の作りが至高。全体が沈み込む、のではなく、あくまでも可動の仕方はトリガー然。
欲張ってLRそれぞれを2ツずつ実装しなかったのが功を奏した、というか烏丸的がこれまで紹介したコントローラの中でも、LRはこのコントローラが一押しカモしれません。
※もちろん本体形状に惑わされている可能性も否定できませんが
奇妙な形状、最低限のボタン数にそれをどうにか補おうとする工夫(SHIFTボタン)、それに蛇足だけど有ればまぁ便利なマウス機能。 各部品も材質から何から品質の高さが伺え、なるほど世界のIntelだけのコトは・・・ある・・・んですけど。
猛烈な問題点が、2コ。
"Intel Wireless Series"という銘打たれてます通り、ワイヤレス故の弊害として第一に"電池の持ち"。気になるこのコントローラは、今時は少々考えづらい単四電池×・・・"3"。
奥に1、手前に2本並ぶレイアウト。地球環境(と自分)に優しい烏丸は、迷うことなくエネループを使用・・・と行きたかったのですが画像は都合上、100均充電池。 ともあれエネループを使うのが常、な烏丸としては3本という本数はエネループが単品2本ないし4本で売られているコトを考えると実に中途半端。
でもまー、100均充電池とエネループを交互にローテーションすれば・・・
と、思いきや。
当該製品発表当時の2000年、規格策定直後のBlueToothを見送って、当時"コスト的な都合で"900MHz帯"を選択したせいなのか・・・それともこの、
強烈に日本家屋に合うことを拒否したデザインのこのアクセスポイントが、PCの電源OFF時ですらもクライアント(コントローラ・キーボード・マウス)の存在確認を行う信号を送受信し続けるせいなのか・・・待機状態でもゴンゴン電池残量が減る反エコシステムなのが大問題。
正直、電源OFF状態のわずか2日足らずで満タンエネループ3本がカラッカラになってるのを見て慄然。なんかこう、かろうじてXPまではサポートされているものの、日本国内で正規販売されなかったのはそーいう理由から・・・なんじゃなかろうか、とIntelの脇の甘さを想像。
しかも、電池残量が少なくなると電源が瞬断されてデバイスを見失う、とかじゃなくあからさまな入力遅延が大発生する謎仕様。 初めて出くわした時、液晶モニタだから、とかスキャンコンバータを間に挟んでるから、とか複数の原因になりえる要素が併存していたので軽くキョドりましたよ実際・・・。
と、ここいらで一旦総括。
デザイン ★★★★☆ 電池、方向キーと問題点はあるものの、見栄えで
操作性 ★★☆☆☆ 方向キー、が甚だ惜しい
備考 後述
参考URL "Intel、日本未発売のコンシューマ向け周辺機器を出品"
同シリーズの一番最初、に一番気になるヤツを紹介しちゃっていきなり後悔。しかしながら、あの便座形状に当時胸キュンになりながらもしばらくは手を出さなかった烏丸が、今になって敢えて紹介しちゃったのはそのプロダクトの統一感への再リスペクト。
正直、このシリーズを揃えることで、デスクトップ周りが"Intel一色"になるのは愉快。メーカーの"吊るし"戦略に乗る、ってのも案外悪くないもんですな。
まーイロイロな問題点が複雑に絡み・・・合わないな、独立で存在するのでどうにも、常用するにはキツいんじゃないかとも、思ってはいるんですが。(実際、前述の遅延が怖くて常用できねーっつー。あとそもそも日本国内の認証クリアしてないんじゃないかしら)
さて次回は同シリーズから、また。