人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【レビュー】Big-Top コントローラ 前編

サタパとプレステと、ネオジオ。

 『初心忘れるべからず』の"初心"が志を指すのであれば当初から何も無くて。

 烏丸です。先日、どーして収集癖の行き先がゲームのコントローラに至ったのか、と聞かれてどうにもこうにも回答に困った、コトがありました。 実際のところ、自分でも一番最初に購入したコントローラってのは記憶にあるところでMSX用の"ジョイカード"あたり、しかしながらその購入動機が収集につながったのかどーかってーとそうでもない。なんだろう、無理やりひねり出すのであれば、メーカーの吊るしの操作環境よりも、自分なりにカスタマイズしたかった、とかそんな感じなんでしょうか。(とは言え"手作り"なんて殆どしないんですけれども)

 でもこう何だろう、"メーカーの吊るしの操作環境がイヤ"、なんて格好つけても良いものは良い、なので甘んじて享受したい・・・のは信者フィルターがついちゃってるからなんでしょうか。ゲーム機本体を購入すると付いてくる純正品のうち、個人的なトップはどう考えても・・・


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22334282.jpg

サタパ。

 『一般的に』セガサターンが現役じゃない現代という背景を考慮するとインターフェースはUSB、つまり"USB版サターンパッド"の方。(いや拙宅では余裕で現役ですけれどもね、オリジナルのサターンが)
 しかしながらUSBサタパに関しては、セガが金型を処分してしまった且つ当時の部品が既に生産終了で代替パーツに置き換わっているばっかりに、一部の"オリジナル信仰"な方々から酷評。されてますが、実際のところアナログ不要なゲーム、特にシューティングや格闘ゲームをUSBコントローラ(パッド)でプレイする方々には無条件で推薦したい逸品。

 なんですが、何しろ販売元のセガロジが販売を終了してしまったので、今市場に流通しているのは数少ないデッドストックか、中国製のコピー品らしきもの(ヤフオクで大量に出たりしてるのがこれですな)とか、入手するだけでも少々難儀・・・という。


 と、なるとサタパのクローン、といいますか、"サタパの最大の特徴である方向キーを模した製品"に自ずと目がいくもの。妥協できるライン/出来ないラインは人それぞれあるものの、以前ご紹介した"ASCII ファイティングパッド2 オリジナル"に見る見た目の類似性(+方向キー他妥協)やら、"MadCatz DualForce Pro"みたいに方向キーに一工夫(+シルエットはPS準拠)などなど、 烏丸個人としては、代替品の候補としては悪くないかなーなんて思う物も有り、どーしてもサタパオリジナルが手に入らないよーでしたらば、検討してもいいのかな、なんて。(前者は大甘な判定カモ、ですが。あ、あと第三科学研究所のサタパUSB基板を利用するテもありますな)


 さてさて、そんな話の流れで本日は、サタパの代替品・・・ではなくクローンの方で大分方向性がアレな製品をば、ひとつ。


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22363294.jpg

Big-Top コントローラ

 そいえばPCエンジンのサードパーティで"ビッグクラブ"って有りましたっけね関係ありませんが。
 って、これまた全然聞いたことが無いメーカーなのですが"Big-Top"。シルエットはサタパ、初見で分かる親指担当ボタン数の違い("6"→"4")、親の敵のように打ち込まれた連射スイッチ・・・に加え、


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_2237443.jpg

どこかで見たことあるデザイン

 パッケージが"SCPH-1000"、つまり初代プレイステーションの以下にも再生紙を利用(しているので環境に配慮してますよー)ってなシンプルデザイン。いやホントにこのBig-Top社が会社を挙げて環境に配慮しているかは怪しいですけれども。
 製品名も"コントローラ"と実に直球。 と、下に記されている"P.Station"、ってのが製品名なんじゃないかしら、と烏丸も最初は思ったのですが、裏面を見ますと・・・


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22374954.jpg

 コンソール本体との接続方法を表したイラストに大注目。
 明らかに"SONY PlayStation"な絵の横に・・・"P.Station"の文字。つまり対応しているコンソール、つまりゲーム機本体を指しているんですな。(恐らく日本国内でいらぬ苦労をしないよーに、という配慮なんでしょうな"P"。しかし"P"って・・・・。ともあれ、パッケージのデザインといい、消費者と流通の錯誤を狙った感じがしまくる大変素敵な製品、という印象なんですがどうかしら。


 ともあれ、これがまた予想外によろしい製品なので、順に。


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22382267.jpg

 シルエットはどーみてもサタパのそれ・・・と見せかけて、グリップの位置がほんの少し長め。ちと、比較してみましょうかね。


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22384772.jpg

 これこの通り。
 全体的な印象がそっくり、に見えるのは本体内径にあるエンボスのせいなのかしらん。とはいえ、そもそも前述しました通りボタンの数、連射スイッチで違う製品であることが伺える亜流さ加減。もー見た瞬間即決した、みたいな。


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22391478.jpg

 4ボタンのカラーリング、レタリングでお分かりいただけますよーに、対応プラットフォームはPS。
 触った感じでまず気づくのは、ボタンのストロークはサタパのそれとは大きく異なること、しかしながらPSのそれとも異なる・・・っていうか少々ストロークは浅め。タッチ自体は悪くない、のですがボタン単品の完成度でどうどうと勝負する気はそもそもなく、後述する連射機能とセットで、みたいなアプローチなのカモ。(いや製品として問題だと思いますが)


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22394839.jpg

 各ボタンごとに用意された連射は、押し込む事でON/OFFが切り替えられるトグル式。

【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22401479.jpg

 押すとこんな感じ。(違いがお分かりいただけるかしらん)
 最近のUSBゲームパッドに有りがちな、"連射対象のボタンを押しながら単一の連射スイッチを押す式"よりは気が効いた設計。ただ、一見して連射が設定されているかどーかが判別つきづらいのがネック。


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22403994.jpg

 サタパのそれと違ってPS準拠なだけに、LRはそれぞれ2コづつ実装。その分、本体の厚みも結構なものに。

【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_224185.jpg

 面白いことにタクトスイッチらしく、タッチは"カチカチ"と軽快・・・なのですが、L1R1のタッチとL2R2のタッチが微妙に違う不思議。ヘタりによるものなのか、それともそもそもそういう設計なのか。(まぁいつか分解してみますけども)


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_2241337.jpg

 SELECTとSTARTはサタパともPS純正とも異なるプラスチック。ゴムよりはいいカモ。
 なーんか似たのがあったっけーって思ったんですが、以前ご紹介したGRAVISのアレだ。まぁこのテの類似性を探すと、世の中のコントローラの壮大な擬似相関図が作れちゃいますが。


 さてよーやく、本題。
 遠目に見て、どーにも気になるのが左様・・・方向キー。サタパのクローンとしては大分方向性がアレ、の方向性を決定づけちゃったのが、こちら。





【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22415431.jpg

 ドスーン。
 サタパのそれとは全く異なり・・・つつも、どっかで見た形状。そーなの、


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22482273.jpg

【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_2249328.jpg

NEOGEOPAD2

 オリジナルは"NEOGEO CD"に付属、その後PS2版の"KOF'94"の発売に合わせてPS用が販売された"NEOGEOPAD"の方向キーにクリソツ、というか同じ構造。


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22494414.jpg

 この"NEOGEOPAD"、そもそも"NEOGEO CD"のユーザーの絶対数が少ないせいもあって、あまり一般的ではないものの、ゲームパッドとアーケードスティックの境目、というか妥協点として軟着陸かつ独特な設計。好きな人は相当好きらしく、ニッチながらも一定の評価があるそう。(烏丸も嫌いではないんですが、あんまり使わなかったなー、っていう)
 ではそれを模した本製品の方向キー、早速引っこ抜いてみますと・・・


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22524521.jpg

 アケステ同様に、軸の周囲を取り囲む形でスイッチが上下左右に配置されている仕組み。
 代表的なゲームパッド型の方向キーは、固定されたコマ型を傾けることで、基板側の導電ゴムを押す仕組み、対してこれは軸自体が上下左右のメカニカルスイッチを押す・・・結果、アケステに似た"カチカチ"としたクリック感が有るという。この際、どちらが優れた構造かは置いとくとして、明らかなのは後者の方がコスト的にかかりそう、ってコト。
 パテント商品じゃないからこそ実現した(勝手な)コラボレーションとは言え、『えいやッ』と腰を上げて採用したこの"Big-Top"ってメーカー? やり手かもしれません。


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22565396.jpg

 パッケージに社名ロゴしかないからどこの会社か皆目見当が付きませんが。


【レビュー】Big-Top コントローラ 前編_c0004568_22575082.jpg

 で、肝心のタッチなんですが実にクイック。
 この際あえて"オリジナル"と呼びたい"NEOGEOPAD"のそれとは違い、露出している軸が長い=テコの原理が働くのか、ほんの少しの操作もダイレクトに響く様子。たとえば格闘ゲームのコマンド入力だとか、シューティングゲームで弾除け、なんかには親和性が高めな印象。とは言えこの烏丸、パッドで格闘ゲーム・シューティングとなるとサタパ1択・・・ではなく無意味に潤沢な手持ちのコントローラを取っ換え引っ換えして使うクチ。なので今回の比較対象を、

 ・サターンパッド
 ・NEOGEO Pad 2
 ・Big-Top コントローラ

 の3ツでッ! 何か豪華に!


 やることにしたので少々準備が必要。 なので刮目して待て次号。



 ※しかし大丈夫なのか本業多忙なこの時期に
by karasuma_usb | 2010-05-27 23:03 | コントローラ

変なコントローラを千切っては投げ千切っては投げ。


by karasuma_usb
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30