【レビュー】QUALTECH INTERNATIONAL CO. Intelligent Mega Power Stick 328II
2010年 09月 29日
各所で報告する度に怪訝な顔をされるんですが、最近なぜかアケステを4ツばかり購入。いや自分でも何で? みたいなキモチは無くは無いんですが、必要だから買った。という事実をベースに他のモノと置き換えればそれほど変なコトではない・・・と信じているんですがどうなのかしら。
さてそんなアケステ大購入セットの中から本日は、これはもう素敵すぎて何かこうアレだ、もよおしてしまいそうな逸品をば。

例によって海外オークションの"eBay"にて大落札、って競り合う強敵不在の幸運っていうか寂しさ、みたいな。顔も知らないライバルと切磋琢磨、なんてカコイイものねぇ、ってともあれこれまた大変シックで素敵なデザイ・・・って、

・・・どうみてもこれアレだ、"NEOGEO(ネオジオ)"スティックですな・・・
と、思いきやお気づきでしょうか左様、オリジナルと異なるのはボタンの数。レイアウトこそ弧を描くように配置されているものの、NEOGEOのそれが4ボタンなのに対してこちらは3ボタン。なんか間違い探しみたい。加えてそーなの、

どこかで見たような赤々としたエンボスレタリング・・・そう、対応プラットフォームのヒトツが"SEGA Genesis"ッ! 素敵ッ! NEOGEOのデザインをそのままメガドラに、という"硬派+硬派"のコラボレーションッ! オッスオッスと盛っちゃうカップリング・・・って実にわかっているけれどもコピー品、っつー。
さてのっけからその最重要素敵要素をご紹介しちゃったので大丈夫烏丸? もう後が続かないんじゃないの? なんて心配はご無用。なにしろコイツときたら・・・まぁ順に。




かえすがえすも笑ってしまうのが、とにかく筐体のデザインはNEOGEOのまんま。しかしまぁうまいこと使い回したなぁ、ってのと、確かに3ボタンが標準のプラットフォームであれば、ここまでコピーに適した素材も無さそう。何しろ国内でもSFCで"スト2"が発売されるまで6ボタンゲームで遊ぶならアケステ、と市場の空気が染まるまで、アケステと呼ばれるカテゴリは大空位時代。NEOGEOが「家庭用」として販売されるまで、メカニカルじゃないグンニャリスティックが台頭してたワケですから。

サァ単なる見た目のコピーだけでなく、そのタッチも実にクリソツ。
天板が手前に向けて斜め、と現在主流のアケステと異なるので初タッチは若干戸惑うモノの、少々の固さに慣れれば懐かしさも伴って快適。
ああでも下方向のストロークだけやったら浅い・・・オリジナルもこーだっけ?
とはいえ概ね良好。よくよく考えると格闘ゲーム、と言えば拙宅ではNEOGEOハードで、だったワケで、これであの

セレクトとスタートもお馴染みの場所。
・・・って、メガドラってセレクトボタン、あったっけ? と気づいた読者ちゃんは賢い。というか若干怖い。ともあれ答えは後程。

各ボタンにそれぞれ用意されている連射スイッチ。
押下することでON/OFFの切り替え。惜しむらくは、連射速度は

このボリュームで3ボタン共通。まぁ冷静に考えると、ボタンそれぞれの連射速度を同時に、ってシチュエーションも希有かしらん。
で、ボタン自体のタッチもまさに"まんま"。
このガコガコとした感触! 最初はなーんか、って思ったけど馴染んじゃったっけねぇ。
しかし思い起こしてみるとAボタンは親指で押すのが正しかったのかしらNEOGEOスティック。この製品だと人差し指っぽい位置にうまくズレてる感じだけども。あんまり考えずに放射状にしてた、んですかねぃ。
さてさてレバーにボタンに連射装置、と来て語るべき要素を出しきっちゃったかと思われますが、実はこっから「も」本題。 実はこのアケステ、ゲーム機本体と接続するケーブルが別体式。それが、

これ。ATARI仕様なのはそう、"Genesis"用ですからね。でも何でケーブルを差し替えられるようにしたのかしら・・・ってんでアケステ側の差し込み口を見ると・・・

こっちにもATARIコネクタが?
実はこのケーブル、ATARI仕様のコネクタ側も、その反対のDinコネクタ側も、両方ともアケステ本体に刺さるという。 えーと、"Genesis"で使いたい場合はDinコネクタ側をアケステに刺してATARIコネクタ側を"Genesis"本体に。。。 じゃあケーブルを反対にした場合、つまりATARIコネクタ側をアケステ本体に刺した場合、Dinコネクタは・・・?
その答えは実はこれ。

なんと"P.C.Engine"、つまり"PCエンジン"の文字が!! そして良く見るとアケステ底面に、

切り替えスイッチがッ!!
つまりこのNEOGEOスティックライクな風貌のアケステは、"Genesis"/"PC-Engine(TurboGrafx-16)"両対応ッ! なるほどコレでSELECTボタンの存在も合点が。
読者ちゃんはご存じの通り、海外市場で大健闘した海外版メガドライブ"Genesis"に対して、海外版PCエンジンこと"TurboGrafx-16"は残念ながら結果。同世代のプラットフォームで市場を席巻した"SNES"ならばいざ知らず、この"2 in 1"・・・正に誰得。(いや今まさに烏丸が大喜びですけれども)
興奮ついでにもー少し。
更にこのアケステ、ケーブル抜き指し(と切り替えスイッチ)で対象プラットフォームを切り替え、だけじゃなく・・・


このアケステには謎のスロットが。
一見した感じではマクロなんかのコマンドを記憶するRAMが刺さる? にしてはボタン数が少な目。果たして?
って、思ったらその答えはまたもやパッケージに。


なんとココ刺さる別売りのワイヤレス用モジュールがッ! しかも当時主流の"赤外線"形式だけじゃなく"RF"形式まで・・・! なるほどこの、


単3電池×4が、ワイヤレス用ときた。
なんかもう、至れり尽くせりを通りこしてこの情熱が怖い。 そして欲しい。その別売りのモジュールが激しく欲しい・・・ッ!
というコトで当然ながらこのアケステの出品者に問い合わせたところ、以下の様なコメントが。
いやーこのアケステは最高だよ。気に入ってくれたかい? 君が欲しいというオプションのワイヤレスなんとかは無くしちゃったんだけど日本人の家は狭いから大丈夫だよねHaHaHa.(意訳)
っつーアングロサクソンならではの腹立たしいコメントが。毎度のコトながら。
まぁ無くしたっつーんじゃ仕方がないので引き続き探してはみますが、これ完品したらスゴイ達成感だと思うんだよねぃ烏丸。
とは言え、気になる点がいくつか。
まずこのアケステのパッケージに書かれている単語、"P.C.Engine"。 繰り返しになりますが海外版の"PCエンジン"は"TurboGrafx-16"・・・と、あれれ? このアケステってどこ製? という点。
そこでアケステ底面を確認してみますとそこには、

なんと英国製ッ!(いや英国デザインなだけ? "Made in ~"はどこにも見当たらず) というコトはエゲレスでは"PCエンジン"という日本国内と同じ名前で輸出されていたのかしらん。
そしてもうヒトツ、底面に張られた前述のステッカー同様にパッケージにも書かれた、

1992年という表記。
Wikipediaによると"PCエンジン"の国内販売は1987年、北米が1989年、欧州が1990年。 ・・・1990年、というと"NeoGeo"の国内外発売と同時。 "PCエンジン"と"NeoGeo"、日本国内だと世代がズレているよーな気がしましたが、納得。欧州ではスタートラインからして同じ世代、だったんですなぁ。
デザイン ★★★★★ コピー、とは言え付加機能で興奮
操作性 ★★★★★ 思い出補正有り
参考URL 多分ここじゃないw
備考 後述
いやはや、久しぶりに本格的にテンションが上がる素晴らしい逸品。
海外市場で成功した結果、比較的社外製のコントローラに恵まれている"Genesis"、つまりメガドラに対して、どーしても"PCエンジン"は周辺機器が弱め。なので拙宅のコレクションも多機種に比べてどーしても少なかったのですが、こーいうのを見つけちゃうと・・・俄然意欲が沸いちゃうなぁ。