往訪、サムソンSOFT。
2011年 08月 07日
貸本漫画時代に強烈なインパクトを残したとあるマンガ家、ところが貸本ブームが過ぎた頃からすっかりその漫画を目にすることがなくなった。「あのマンガ家は今何をしているんだろう?」みたいなテーマで、確か"QuickJapan"なるサブカル雑誌で連載されていた1コーナー。
大変興味深い内容でして、現代にその"強烈なインパクト"を復刊・作者インタビューという形で掘り起こしたいジャーナリストと、既にマンガ家を辞めて隠棲されている・またマンガ家だった時代について語りたくない作者本人、の対比が悲しくそしてしみじみ。
と、それをリスペクトしたワケではないんですが、烏丸も長年気になっているマンガ家・・・じゃなくて、ソフトハウスが。



そのソフトハウスの名は"サムソンSOFT"
今は無き"マイコンBasicマガジン"、つまり"ベーマガ"のモノクロ広告ページに新星のように現れるや否や、
なんだかモダンなパッケージに質素なゲーム画面、加えて『移植出きた方連絡して下さい PC、FM、mz、X1』(原文ママ)という強烈なインパクトで持って大登場。
すわ、なんだこの広告は・・・? と思った人間がどれだけいたのか、っていうか結構いたんだ、って分かったのはインターネッツそしてTwitterのお陰。
当時、烏丸が住んでいたのは神奈川県横浜市。当時も"サムソンSOFT"の所在地が近所だなぁ、とか思っていたんですが、流石に現地に赴く行動力は無く・・・。
で、行ってきました。

広告に有った住所、神奈川県横浜市保土ヶ谷区xxxx。
住宅地のある丘の上にそびえ立つのは市営? 県営? ともあれ築年数は30年は余裕で超えていそうな集合住宅、ああなるほど今でもマンションの一室を借りてゲーム開発している会社なんてゴロゴロありますもんね、その先駆けなんですな"サムソンSOFT"。いわばベンチャーだったんですな。

目指すのは広告に記載の有った部屋番号。
道路から建物へは階段。真新しい手すりはワリと最近追加されたものなのかしら?
で、

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
ついに来ちゃった、来てしまった"サムソンSOFT"・・・の広告にあった住所。
あいにく、というか期待していませんでしたがドアには社名は無し。その代わりに世帯主のお名前が簡素な表札に、っておお? 名前が・・・ひょっとして"SAMSUNG"ゆかりの方なのかしら?? でも一応修正版(wの広告には、

『日本の企業です』
と聞いてもいないのに補足されているんですけれども。
ともあれ、流石にノックしたり呼び鈴を鳴らす勇気はなく、ぐるっと部屋の様子が見える方に出てみると、

なんだかとっても過疎、というか昔の自治体運営然とした質素な佇まい、っていうか人の気配がしないっつーか・・・まぁ・・・ええ。
周囲の住宅はごく最近の宅地開発のせいか、小奇麗なマンションや戸建てが並んでいたものの、なんともこの"サムソンSOFT"の広告が示す住所だけ取り残されたように不思議に、昭和。
"サムソンSOFT"という屋号が書かれていなかったこと、また"ガイア"以降の活動について聞いたことがない、っていうかあれから30年近く経っている・・・コトを考えると、そもそもこの住所にお住まいの方が(表札にある名前がSAMSUNGを連想させるとは言え)"サムソンSOFT"の「中の人」とも限らないワケで・・・
でもなんかこう、広告通りの郵便振替は無理でも、連絡してみたくなる・・・いやいや。

おとなになってしまったから、この"一歩"を踏み出せないのかもなぁ。