【レビュー】SANWA SUPPLY JY-P25U
2011年 09月 19日
好きなのは"あくまでも"コントローラ、というジャンルであって"ビデオゲーム"自体のジャンルは狭く浅く。というのが実は烏丸のゲームっ娘人生だったりするんですが、特に苦手なのは『音ゲー』、『パズルゲー』、そして・・・実は『フライトシム』
『フライトシム』に関しては右も左も分からないままに遊んだ原体験が、セガマークIII時代の名作、"F-16ファイティングファルコン"。
計器類の見方が理解出来ずに放り投げた、という悲しい記憶からどーも食指が動かず、本格的なフライトシムってうーん、ままならなさがどうも、ねぇ。 なんて思っていたんですが、不意に面白さを認識したのはPS1の"エースコンバット"。わかりやすいミッションに美しい映像、でもってタイミング良く"エリア88"の原作を再評価(偉そう)していたこともあったのと、手持ちの"neGcon(ネジコン)"での操作がいい感じにフィット。これは面白い!
・・・とか思ったんですが、結局その続編もタイミングを逃して買わずじまい・・・と、どうも相性というかタイミングというか、すれ違いなんですが"フライトシム"ってーのは。
なんですが、PCゲームの1ジャンルとして結構な数がリリースされているんですな"フライトシム"。加えてコアな方々向けにかなり本格的な、というか実際の飛行機の操縦桿をそのまま使ったジョイスティック一式、なんて高級品が・・・あったりしてお値段も数万円~数十万円と幅広。いやでも、ライト層向けの製品もやっぱり必要なんでは・・・
と、思ったのか、Windows95~98くらいのPC向けコントローラには結構な頻度で"フライトシム"向けの機能がついていたんですが憶えていらっしゃるかしら。っていうか長いなこの前振り。
それがこの、
"POV(Point Of View)"、つまり"視点"。を、操作する機能。
一般的に"フライトシム"は一人称視点、コクピットからの視点になるところ、パイロットの視点を変更することで、前後左右を目視するための操作機能。上記の通り、Windowsの"ゲームパッド"コンパネでお馴染み。
PCゲーで"フライトシム"全盛、だった時代を反映した機能なんですが、どっこい今時はどーもあんまり使われない機能。それどころか、
Googleの検索結果に、"ハットスイッチ問題"なんてネガティブな言葉が。
確かに"フライトシム"が"FPS"に駆逐されて("FPS"のタイトルの一部では1シーンとして取り込まれるそーですが)久しく、かつPS3などの"USB"が使えるコンソールなんかだと、コントローラ自体が"USBゲームパッド"準拠、つまり"POV"に対応しているばっかりに、それ自体がゲームによっては弊害になる・・・有様。
そんな気の毒なI/O、"POV"。
なんですが、拙宅にあるイカしたコントローラには大概「付いて」いるんですよねぃ。時代的に。
今回ご紹介しますのがこちら。
『Windows98専用』! と声高らかに謳っちゃった後に『Windows2000対応』!とか売れ残り感を感じさせるパッケージが時代を感じさせるこちらの製品、SANWA-SUPPLYの"JY-P25U"であります。(しかしこの型番の命名規則って正体は分かりませんが無味乾燥ですねぃ)
なんですがこのくらいの時期ってちょうどWindowsPCだと"MMX"から"PentiumII"への移行期? ゲーミングPCとしての在り方、として様々なメーカーからグラボが投入されて大変面白い時期、だったんですがハイエンドとローエンドの"下の方"に合わせて、国内ではソフトバンクやらメディアカイトやらが、アーケードゲームの移植(エミュレータかしら)をリリースしたりして、"ゲーミングPC"という言葉を聞くようになったころ。
合わせてPC用のゲームパッドも、それまでサウンドカード有りきだった"ゲームポート"から、徐々に"USB"へとI/Oが変わりつつあり、高い金を出して買ったパソコンでゲーム、という甘い誘惑にパソコン初心者が誘われて人生を棒に振ったりするキッカケを作った、大変楽しい時代でもありました。
さておき、それまで「パソコンでゲーム」となると前述のフライトシムを筆頭に、ある程度デバイスにもお金を払わないといけなかったワケですが、この"ゲームパッド"にも高価なデバイスから頂戴した機能が、一丁前に。 ともあれ、追って。
デジタル方向キーはアタッチメント付き。
"Gravis"やら"QuickShot"なんかと違ってネジなしで抜き差し出来る簡易方式。とはいえ、実際このアタッチメントが有るのと無いのとでは結構な違い。
反応は実にクイック。全部がプラスチックで出来ている不安、ってのはありますが、グリップがあるおかげでそれほど力を入れなくても安定する、実によくできた方向キー。(でもこれ以降、この設計のゲームパッドって出てないんですな、サンワサプライから)
LRは両肩に2コずつ。
なんだかこのアングルからの画像が妙にカコイイ不思議。ちなみにストロークは浅めで少々、というか今ひとつ。
続いて本題? のボタン。
ボタンは実に独特な配列。
上下段で合計6ボタン、に見えますが左上から2コは実はABボタンの連射。(懐かしい呼ばれ方ですな"TA/TB") というコトは下段左から"A"・"B"・"C"、上段に上がって左から"A連射"・"B連射"・"D"(!)、なので合計4ボタン。先に挙げましたLRと合計すれば8ボタン、となるんですな。(パッケージには"10ボタン"って書いてあるけどね!)
素直に連射スイッチを別に用意しないでこの設計、ってトコロが烏丸的に胸キュンなワケですが、加えてこの変則配置に変な汁とか出ちゃうのな。
ほいではなんでまたこんな変則になったのか、というと左様、右上に配置されたハットスイッチのせい、という。
"POV"、というと小さなスティック状になっている製品が多い中、少々独特なデザイン。
役割としては冒頭にお話しましたとおり、フライトシムなんかでの視点変更。とはいえ、肝心の操縦桿にあたるべき方向キーはデジタル入力。となるとなんとも片手落ちなところがイヤハヤ。
となると若干の工夫、でおもしろい使い方が出来そうな・・・予感・・・とかここまで書いたのに思いつかない不思議。なんでしょうね最近聞きませんが"JoyToKey"みたいなユーティリティを使ってハットキーにキーボードのスイッチを割り当て? とか? だとすると"ローグライク"なキーボード前提なPCゲーとかかしらん。
で、手元のゲームのマニュアルをアレコレとさらってみますと、ステアリングがデジタル入力、加えてキーボード割り当てな操作が大量にあるところで・・・ああ、"カーマゲドン"?
こんなのとか。うーん、すべての操作を割り当てるには若干足りず、ただしゲーム中にあんまり使わなくてもいい機能("ドア開閉"とかな。通行人を跳ね飛ばしたりするのに便利)を省略すれば・・・或いは・・・! みたいな。(まぁ大人しく"A"・"B"・"C"だけ使うとしても、方向キーがよろしいおかげで結構使えるんですけれども)
98世代のゲームパッドって、プレステよろしくアナログが付く「直前」の、"帯に短したすきに流し"な中途半端な時期がこれこの通りございまして、なんとも個人的に大好き。アナログ入力が無いコトには話にならないアクション製のあるゲーム、ってのが2000年くらいを境にボコボコ出てくると、それこそ使い道に困り初めて総じてゴミ化しちゃうんですけどねぃ。
デザイン ★★★★☆ ただし問題はラバーコーティング・・・
操作性 ★★★★☆ ラバーコーティングがベタつき始めて・・・捨てたい!
備考 というコトで次回? はラバーコーティングをきれいに剥がす話でも
参考URL メーカーHP
そーなの。
このゲームパッドの表面はラバーコーティング。なので以前、ELECOMの製品が押入れの中でベタベタになったのと同様に、この製品もその徴候が!
ELECOMのアレは後ろ髪惹かれる事なく捨てましたが、この"JY-P25U"はお気に入りなだけにどーにも・・・というコトで、このコーティングをひっぺがす話を、近々。
いや同じの手に入るなら捨てますが。