【レビュー】スピタル産業 CT-V9
2012年 10月 18日
さて仕事用の"Thinkpad X1"のバックライトがいい感じに死亡したことで絶望の淵に立たされたものの修理ピックアップから1週間立たずに現場復帰してやるじゃないLenovo、みたいなキモチ。よくよく考えるとプライベートで4年くらい使っていたDellの"Vostro1500"も、バックライトの劣化が早かったり液晶から奇怪な叫び声を上げて今年の初旬にお別れを告げたり、今年の頭に購入したAcerの"ICONIA F54E"も、MSの"Trackball Explorer"と相性が悪かったりと良い感じに不運が続いていたりしてなんかもーああ個人じゃなくって法人契約で買うとかしとけば手厚いサポートが受けられたのかなぁ、なんて。
ハァ。
ともあれ、本日は大変ご無沙汰な【レビュー】を、ひとつ。
すごく狭い世界で『伝説』としてなお残したコントローラ、スピタル産業の"CT-V9"であります。
さて『伝説』、なんて仰々しいんですが、遡ること10年ちょっと前、PC用のコントローラが"MIDI/ゲームポート"から"USB"に移るころ、びっくりするほど選択肢がなかったんですな、PCゲームパッドって。
(過渡期においては、マイクロソフトの"SideWinder"シリーズという若干高級目なゲームパッドが存在したものの、"USB"版が出てなんか劣化。加えて積極参入してきたのは、現在の海外製ブランドとしては割と定番化した"Logicool"。こちらはハナからあまり品質が高くなく、今現在もシリーズがかろうじて続いてますが、"仕方なく選ぶ"ブランド、みたいなね)
で、国内のブランドと言えば中国製のOEM中心でやはり品質は今ひとつふたつ。そこに燦然と現れたのが左様、"サターンパッドUSB"だったりするんですが、これも在庫不足のまま現在はコピー品が氾濫する有様に。
さてその実に閉塞とした市場において、『安定の品質』と長らく親しまれたのがこの、
スピタル産業の"CT-V9"なんであります。
んでこの製品をば本日。
過不足無く用意されているボタン数は、親指担当の6ボタンに加えて、
L・Rの2ボタン。
クリック感はどれも良好、サタパのような中央をブラインドで把握できるポッチこそないものの、てっぺんがゆるやかに丸い感触が・・・ああすいませんどうも苦手。なんかねー、やっぱりヘコんでる方が個人的には好きなんよねー。
中央には2ボタン。
こちらはキーアサインで適当なサブボタンとして割り当てられる運命。サイズは多少小さめなんですがまぁこーいうもんかなぁ、と。
本体下には連射割り当て用のボタン兼インジケータ。
連射設定したいボタンを押しながら、このボタンを押下する仕組み。解除したい場合は逆の手順。 で、連射の速度は固定で病患、いやさ秒間20連射。名人より早いレベルで安心・・・なんですが、固定ってのはゲームによってはいささか迷惑かもしれません。(画面上に2発が上限、とかだと目も当てられないことに)
んで、肝心要の
一見『どうかなー』と思わせるデザインの方向キー、なんですが愛好者が多いのはやはりこれなのカモ。押し込み時のストロークも、離した時の戻りも素直。
加えて何より重要なのは、中央を押してもヘコまない。定番商品然と量販店の売り場を占拠している"Logicool"の製品なんかでも、こーいう当たり前のことがクリアできていない事実。やはり『安定の』製品という。
ああ実に素敵。(アナログスティック無いけど)実に最高。
って、思うんですが左様、スピタル産業は無念の廃業。
→"ご存知でしたかスピタル産業、廃業。"
ということで『安定』はそして『伝説』へ、と。
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で、じゃあ入手出来ないのか、といいますとさにあらず、実はいまさらなんですがこの廃業事件(事件て)のすぐ後に、"CT-V9"は"NSテクノロジー"なる会社が販売を引き継いでおりまして、
現在も無事に入手可能。つまり『伝説』は今すぐにでもお手元に!
販売を継続、ってだけならフーン、なんですがなんと、
中の部品が改善、しかも部品がディスコンになっても後継部品にリプレイスしてる! なんという執念、というかなんという愛情・・・。なんかこう、伝説でありながら愛情にあふれている、これまた稀有なコントローラなんですねぃ。
デザイン ★★★★☆ あー、ケチつけるなら色かなー。あと地味
操作性 ★★★★★ デジタルでは最高峰の一つ。でも地味
備考 後述
参考URL メーカーHP
ところでひょっとしたら烏丸が"CT-V9"の一番お気に入りなポイントって、
この背面が若干膨らんでいるところ、かもしれません。
正面からの見栄えとフィット感はサタパに及ばないんですが、このアールが実にいい。無論、持つ人の手のサイズによりけり、なんでしょうけれどもー。