【レビュー】SEGA ARCADE POWER STICK
2005年 08月 24日
烏丸です。
え〜、今まで黙っていましたけど烏丸、仕事が嫌いです。この業界に入ってから一度たりとも仕事が楽しいと思った事などないわけですけれども、なーんかうまいタイミングで別業種やらヒキコモリやらに華麗にシフトチェンジ出来ないんですな。同じ世代の人間なんかにも別業種に転職しちゃったりベンチャーとして起業しちゃったり・・・なんともその行動力が羨ましいやら妬ましいやら。
ともあれ、積極的に新しいものを自分に取り入れたり、周囲に触発されて行動を起こしたり、そーいったアグレッシブさが烏丸には足りないってーコトなんでしょうな。
まあそーいうの、面倒くさいので苦手なワケですけれども。
あ、そっか。仕事が嫌いなのは面倒くさいからか。
納得。
さて冒頭で出囃子に使用しました読者ちゃんにはオナジミのキャッチコピー。マルチライターいとうせいこう氏がメガドライブ発売時に使っていた売り文句であります。ちょっと調べてみると、かれこれ17年も前、なんと昭和63年の事なんですな。翌年の年初、我らが昭和天皇がお隠れになって平成になった訳ですから・・・いやはや昭和も遠くになりにけり。(遠い目←←←近視) (あ、「オナジミ」ってカタカナで書くと下劣な感じがしますな)
実は烏丸、初めて購入したゲームマシンこそATARIなれど、こと国産機に関してはSEGA大好きッ娘。最初に購入した”SC-3000H”を皮切りに、”SEGA MKIII”→”SEGA MASTER SYSTEM”→”SEGA MEGADRIVE”→”SEGA MEGACD”→”SEGA 32X”→”SEGA GAMEGEAR”→”SEGA MEGAJET”→”SEGA MEGADRIVE2”→”SEGA MEGACD2”→”VICTOR WONDER MEGA”→”SEGA MEGADRIVE”→”SEGA GAMEGEAR(RAYEARTH)”→”SEGA GAMEGEAR(VIRTUA FIGHTER)”→”SEGA MEGADRIVE”→”SEGA MEGADRIVE2”→”SEGA SATURN”→”SEGA SATURN白”→”VICTOR V-SATURN”→”SEGA DREAMCAST”・・・・・・・・・いやもう大好きで、って
買 い 過 ぎ 。
なんか購入した記憶を時系列順に並べてみたら、なんか初代の本体だけで3台、さらに「2」も2台は購入しているという有様。仕事の疲れから鬱に突入したならいざしらず、若いころからこの状態ってー、これはもー病の領域。まー世の中には「SEGA FREAK」なんて呼ばれている人種もたくさんおりますし、特に気にする事もないでしょーな。いや良かった良かった。
いや良くない罠。コレは深刻ですぞ? 患者でありながら担当の(無免許カリスマ)医師も兼務する烏丸の診断の結果、これはSEGAのハードから煌々と放たれる殺人光線、いやさ「欲しくなっちゃうぞ光線」の仕業に他なりません。
この霊波動、なんか言っている側から呼び方を変えちゃってアレですが、やはりSEGAのトータルデザインの美しさから緩やかに放出されていることに、読者ちゃん諸君も異論は無いことでしょう。こと初代メガドライブに至っては、
・黒光りするイカス筐体
・誇らしげに輝く「16BIT」の文字
・いかにもCD-ROMドライブを実装しているようでしていないカートリッジスロット周り
そして脱亜入欧よろしく、世界を見据えたエルゴノミクスデザインのバカでかいコントローラ・・・なにもかもが見る者の精神を
トータルデザイン、なんて申しますと、そこには肝心のゲームカートリッジやらパッケージ、さらにはそれらを取り巻く周辺機器、それらも包括されるわけですな。今回はその中でも「周辺機器」。SEGA謹製の純正ジョイスティックを大紹介。
さすが純正と言ったところでしょうか。正直、サードパーティ製の周辺機器では、ここまでトータルデザインに寄り添ったデザインは難しいんじゃないでしょーか。ひょっとしたら同じデザイナーの「作品」かもしれません。 とにもかくにも、メガドラ専用にふさわしい形状と黒光り。単品で見ても何の周辺機器なのかが一発で分かる感じ。 これはもー、一家に一台は欲しいアイテムですな。
ところが、この製品。当時はそこかしこの店頭で見かけたにも関わらず、案外買った人間が少ない。当時のメガドライブを紹介する雑誌記事なんかでは、メガドライブ自体「アーケードの興奮をご家庭で」なんて決まり文句が氾濫していたわけで、ゲーセンに毎日通っちゃうよーなSEGA FREAK諸兄なら見逃すはずはないのですが・・・なんか不可思議。
さておき、肝心の実装部品を簡単に。
純正のコントローラと同じく「8方向+3ボタン+1ボタン」。ですので、当時のJAMMA標準に準拠。アーケードの興奮準備よし、といったところでしょうか。 レバーはゲーセンにかなり「近い」感じ。左手首を置くスペースも十分で、かつ本体のサイズのワリには重量もあり、よほどダイナミックな操作をしない限りガッタンガッタンなることも・・・と、言いたいところなのですが、レバーがちょっと長目。そのため、持ち方に寄っては苦労させられる可能性があります。(「ワイン持ち」なんて呼ばれるやり方だと危険) あと、付け根の部分に目隠し蓋が無いのもゲーセンと違うところでしょうか。まあそれがデザインに大きく貢献しているよーな気がしますが。
ボタンは本体付属の純正コントローラによく似たデザイン。とはいえ、ボタンそれぞれは純正パッドより大きく、ゲーセンのボタンより小さいというスタンス。それが功を奏したのか、人差し指から薬指をそれぞれA〜Cボタンに乗せた時にとても「シックリ」。
今日日珍しくありませんが、各ボタンにはそれぞれ個別に連射設定も可能。しかも連射速度をアナログ的に無段階切り替えできちゃう上に、最大連射速度が以上な速さ。 アーケード筐体を手がける事が本業であったセガらしい至れり尽くせり具合。
試しに引っ張りだした「ダライアス2」も連射のおかげで楽勝。細かい操作もパッドよりはるかに有利。(いや、これは個人差がありそうですが) しかし連射一つで難易度が激しく上下しますな、シューティングは。例えばクソゲーとして名高い「XDR」。アーケードパワースティックの連射を使用すると、XDRのオプションで設定できる連射速度の10倍くらいの連射速度で連打連打連打。 お陰で妙に遊べるゲームになるんだから、世の中分からないもので。
正直、烏丸としては非の打ち所がないくらい、素敵なジョイスティックだと思うのですが、前述しました通り、なんか持っている人が少なかったよーな。ひょっとして烏丸の周りだけの話で、本当は日本全国であきれるほど馬鹿売れしたのかと妄想するのですが、その妄想の裏付けを取るべくヤフーオークションなんかで検索してみると、2005/8/24現在で一件しかヒットしない。しかも相場も1000円以下・・・これだけ「欲しくなっちゃうぞ光線」を煌々と放出しているにもかかわらず・・・何故?
・・・と思ったところで、当時烏丸がこの「アーケードパワースティック」で遊んだゲームを思い出してみることにしましょうか。さぞやこのコントローラの真価が発揮されるよーなゲームをやっているんだろうなあ、と、記憶の引き出しを順番に開いていきますと・・・
・マーブルマッドネス
・ペーパーボーイ
・ソードオブソダン
・・・うーん、どれもこれも当時狂ったように遊んだゲームってのは間違いないのですが、別にこの「アーケードパワースティック」でやるよーなゲームでも無かったなあ・・・。 っていうか、このドキュメントを書いていて、ふと思い出したように「ソードオブソダン」を引っ張りだしてやってみたんですが・・・
や っ ぱ こ の の ゲ ー ム は 別 格 だ な、と。
話が逸れましたので本筋(?)に戻しますが、ともあれ「値段(定価6800円)の割に」よく出来たコントローラであります。最近はメガドラのゲームもネット上のサービスで出来ちゃうようですが、やはり実機で遊ぶのはひと味違う。 今時本体を引っ張りだして遊ぶのは確かに面倒ではありますが、それを補ってあまりある素敵コントローラではないかと。そしてソードオブソダンですよ。
しかしアレですな。ドリキャス以降、セガのハードウェアデザインはなんであーもヘタれてしまったんでしょうか・・・もっと黒光りする「イカす」ハードを作って欲しかった。 烏丸にしてみれば、最近ゲームがつまらないのは、やはりハードが面白くなくなったからなんじゃないでしょーかねえ・・・
デザイン ★★★★★
操作性 ★★★★☆
備考 「ストリートファイター2ダッシュプラス」にあわせて6ボタンバージョンもありました。でも3ボタン版のほうがカコイイですよ?
参考URL セガハード大百科