【レビュー】Periborg オレコマンダー
2005年 11月 21日
「カリスマ」。今日日非常によく耳にする言葉ではありますが、なんかちょっと胡散臭い。はてなダイアリーでこの言葉を検索してみると・・・
超自然的・超人間的・非日常的な資質・能力。預言者・英雄などにみられる。転じて、一般大衆を魅了するような資質・技能をもった人気者を俗にいう語。90年代後半から流行語的に用いられ、美容師や109の売り子を始め、果てははてなダイアラーにまで冠せられるようになった。
前半の預言者やら英雄のあたりまでは、なるほど確かにと頷けるのですけれども、カリスマ美容師ってーと、例の腕はいいモノの実は無免許だった美容師しか思い出せませんし、渋谷109の売り子って・・・後光差しながら接客しているとか?
本来はそれこそ「神懸かり的な」能力を有している人物を差して使われる言葉でしたが、ここ数年で随分と安っぽい言葉になってしまった「カリスマ」ですが、烏丸の世代には確かに「神懸かりな」能力を持った「英雄」がおりました。
高橋利幸氏。
言わずと知れた「高橋名人」その人ですな。16連射。とは言え拙ブログで今更、名人の功績を綿々の書き綴るのも今更感があるので敢えて書きませんが、つまるところ烏丸の世代のカリスマと言えばこの人ですよ、と。
確かに当時烏丸の周りでは「名人」「連射」ブームだったはずなのですが、何故かそのブームを楽しんだ記憶が自分にはあんまりなかったり。どうやら当時、あのブームの情報発信源は「コロコロコミック」だったようで、「コミックボンボン」を熱心に読みながらファミコンよりも「SC-3000H」を愛して止まなかった烏丸はブームから取り残されていたようで・・・いやー幼少の頃から本流よりも傍流を選ぶ気質だったってことかしら?
つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
さておき、この「名人」「連射」ブーム世代の人間がいい大人になり、メディアを担う立場となったからでしょうか、最近この高橋名人が色んなところに引っぱりダコ。しかし当時のカリスマと同世代になってしまった我々は、等身大のカリスマの言葉に、氏の薄れてしまった
しかしながら過ぎ去った過去への妄執が不思議と商品価値となるのが資本主義の不思議。というワケで今回はそんなカリスマをリスペクトしたイケてるアイテム。
「PeriBorg オレコマンダー」ですな。
最初の発表から約9ヶ月。その製品化を今か今かと待ちわびていた読者ちゃん諸君も大勢いらっしゃることでしょう。これならあの高橋名人を超えることが可能と思った方が多かったのか予約が殺到したそうで、2次出荷待ちになった方もおられるとか。とは言え、2次出荷も発売日の翌週頭にされたようなので、既にお持ちの御仁も多いのカモ。
幸いにして烏丸は発売日に到着したのですが・・・例によってナカナカ楽しむ時間が無かったり。とは言え、コレをレビューしないなんてのは烏丸の裏づけの無いプライドが許しません。
さて簡単に製品の概要ですが、要するに"任意の指につける震動ユニット"
をはり。
いやいやいや、余りにも簡単すぎたので補足。構成ユニットは2つ。指先につける可動式の震動ユニットと、リストバンド型の電池ボックスという構成。前者はシリコン製のベルトで2点止め、後者はマジックテープ付きのベルトで手首に固定して使用する、と。
想定されている装着方法は2通り。
電池は単四電池×4のため、リストバンド部分のサイズは若干大きめ。震動ユニットとのケーブル長も短めで、リストバンドはその名前の通り、手首につける以外に装着方法がありません。このあたりは着脱式のケーブルか、USBケーブルなんかで代用できれば調節できて良かったのですが・・・
肝心の震動ユニット。個人差はあれどこちらも指に対して若干大ぶり。なんか指一本だけチョバムアーマー付けたような感じになります。震動の開始は指の曲げ伸ばしによるON/OFFによる制御と、震動ユニット自身が持つスイッチによるON/OFF、震動しっぱなしのHOLDを選択可能。なかなか多機能ですな。
で、震動させるとこんな感じ。
震動速度=連射速度は3段階に設定可能で、最大速度で秒間約20連射程度(メーカー公称値)とのこと。実際は連射されるボタン側の相性と、装着者の指次第なところがあるので、まさしくアナログ的な誤差は出るのかな、と。特に後者は大きく、指を適度にリラックスさせる必要がある為、ちょっとエージングというか慣らしが必要。
烏丸も最初の装着時には若干ギコチない速度でしか使用できませんでしたが、安定してくると秒間20秒くらいはコンスタントに出せるように。しかしコレはマウスで測定した結果でのお話。一般的なマウスのボタンの構造はメーカー毎の差が少ないため、どのマウスでもその連射可能速度に大差は無い感じ。
ところがやはり、コントローラとなるとボタンのスイッチは殆ど炭素接点スイッチであることと、そのボタンのサイズと形状如何によっては連射に適さなかったりして。
なんか激しく連射に不向きなのを一品入れてみましたが。
ボタンのスイッチ構造はともかく、その形状による連射の向き/不向きは操作する人の指の形状と慣れに大きく左右されるので、あくまでも烏丸の個人的な意見としては、
・ある程度ボタンの直径があるもの
・ボタンのストロークが浅すぎず深すぎないもの
というのが、オレコマンダーを有効利用するための要件ではないかしら、と。この点をクリアした上でコントローラの選別をしようと思うのですが・・・無念、今日日、ゲーム機付属の純正でも無ければ、大概のコントローラには連射機能がついているんですな。なので純正のコントローラを愛用しているとか、何らかの理由で連射が使えない状況という、更に限定的なシチュエーションで無いと・・・このオレコマンダーが生きてこない、と。やはりゲーセンでの使用を視野に入れていただく必要がありそうです。(しかしそれはそれで最近のシューティングは連射用の独立ボタンが用意されているのが常なんですよねえ)
う~ん、なんとも難しい製品であります。
個人的には「発売したことに」意義を見出せてしまったので感無量という気持ちではありますが。HORI自身が今後発売するコントローラから連射機能を排除するくらいの勢いがあれば面白い展開になりそうなのですが・・・・って、リモコン別売りのテレビみたいになっちゃいますけども。
ある意味、ネタ商品としてのコンセプトとしてもその外堀は万全を期しているようで、
ちゃんとPL法対策なコメントもパッケージに記されていたり、
これ見よがしに年齢制限を明示したりと、さすがは一流メーカー。
ともあれ、ペリボーグシリーズの第一弾としては、いささか出来すぎた製品(もちろん誉め言葉で)となりました。今後の商品展開に期待・・・出来そうなラインナップじゃないんだよなあ・・・「オバチャブレーキ」とか・・・
デザイン ★★★★★ カラーバリエーションが欲しいなぁ
操作性 ★★★★★ 指の方の慣らしは若干必要
備考 プロトタイプがシャアカラーなのがご愛嬌。
参考URL メーカーHP
そうそう、オレコマンダー装着後には"ファミコン指体操"をお忘れなく。
誰だ、汗かいてるヤツ。