【レビュー】Microsoft SideWinder StrategicCommander
2005年 12月 01日
いやいや今日日、マイクロソフトが無かったら正直オマンマの喰い上げになるのが確定なんですけれども、仕事で使えば使うほどどーも好きになれない。やはりMacintoshメインで過ごしてきた時期が長かったせいなのか、同社製品の出自の胡散臭さ故の抵抗感か、それとも単純に主流よりも傍流を好むマイノリティ気質が邪魔しているのかはわかりませんが、どーも肌が合わない感じ。
とは言え、あれだけの巨大企業ですし、今更同社が無くなったら~なんてコトを想像しても無意味なんですな。しかも現に自宅には同社製OSが稼動しているマシンが3台もあったりする不思議。
さておき、まーこんなブログをやっている以上、どの道マイクロソフトという主流を迂回する術もなく・・・・っていうか実は同社製のハードウェアに関しては、もはや大好きッ娘としか言い様が無い烏丸なのであります。
と、まあ前置きはこのくらいにしておきまして、今回はお待ちかね(?)のコレ。

Microsoft製の左手用コントローラ、「SideWinder StrategicCommander(ストラテジックコマンダー)」ですな。
実に黒を基調としたカラーリングっつーか真っ黒なワケですけれども、むやみに光沢をつけずにマットなカラーリングがとってもエグゼクティブ。SideWinderシリーズの中で唯一の左手用サポートコントローラであります。
同社のキーボード製品群にも見受けられるエルゴノミクスデザイン。

実に手に素直な位置に配置されたボタン群。大変秀逸なデザインであるというのが烏丸の正直な感想。
デザインからしてウッカリ褒めちぎってしまうくらい、烏丸にとってはお気に入りの製品であります。正直、ここまでマイクロソフトの製品にゾッコンになってる自分自身が信じられない、みたいな。
さて実際の使い勝手は如何に? というのが読者ちゃん諸兄の気になるところかと思われますが・・・これがまたジョリーグッド。
これまで拙ブログでは左手用のコントローラとして、n52やらClawなどを紹介してまいりました。それらは主たるターゲットとしてFPSを見据えていましたが、この製品のそれは製品サイトにありますとおり、「エイジオブエンパイア」に代表されるRTS(リアルタイムストラテジー)。RTSってのは、どーも操作形態が複雑多岐に渡るモノが多いので、それを専用デバイスで賄おうってのがこの製品の目指したトコロ。
要するに対象としているジャンルがそもそも異なるんですな。なので前者2機種と同じように使おうとするのであればチョット違う。
ほいではその目的が異なるが故の相違点をば。

ボタン。
n52やらClawはFPSに代表されるアクションなどで、激しいキー操作を要求されることを前提としたボタン設計であったのに対し、この製品は連射されることよりも「ここぞ」という時に押されることを前提とした作り。(なのでクリック感はかなりしっかり)具体的にはそもそも材質からして我々がイメージするコントローラのボタンとは違う、と。

筐体のデザインが成す流線型を極力壊さないデザインをしたこのボタン。内、6ボタンは軟質プラスチック風。風、なんていいますのはさすがに材質まで確証が取れない烏丸の自信のなさの現れに他ならないワケですけれども。 ともあれ、一般的なキーボードやコントローラのボタンとは感触・操作感ともに異なると思っていただきたく。 そしてその他の黒いプラスチック製のボタンの内、親指担当部分の3個がシフトキー。シフトキーを押しているか否かで、メインボタンが押された時の挙動を任意で変更可能というワケであります。(これは後述のキーアサインで設定、と)

加えてこのギミック。
本体上半分自体がアナログ操作可能という仕組み。360°お好みの操作が可能で、ここにRTSのマップ移動やらカーソルキーをアサインすることで、右手はマウスに集中することが出来ちゃうという。FPSなんかですとあまり必要とされない機能ですな。RTSではないですけれども、烏丸はディアブロ2でマップのスクロールに使っておりました。ナカナカ便利。カーソルキーライクな使い方が出来そう・・・なんですが、バネだかなんだかのチカラで強制的にニュートラルに戻る仕組みに。用途を限定しそうですが、このギミックの存在自体に意味がある・・・なんて誉めすぎでしょうかね?
さてさて、これらのボタン類にお好みのキーをアサインするんですな。


付属のアプリケーションはこんな感じ。
こちらも本体とマッチしているなかなかシックなデザインで素敵。
よくよく見ると、この黒地に蛍光チックな緑ってのは同社のXBOXにも使われたカラーリングですな。毒々しいようなクールなような、好みは分かれるところですけれども、烏丸は悪くない印象。とは言え、自社製OSのカラーがブルー基調であることを考えると、配慮が足りないとも言えそう。(そーいうところでハード(PC本体)もOSも手がけている点でAppleが有利なんでしょうな)

キーアサインがされたボタンは常時点灯でアピール。が、こちらは黒字にオレンジ。うーん、やはり統一感はもう一声。
さてキーアサインについてですが、単一のキーは当然のこと、複数のキーおよび一連のボタン操作(マクロ)なんかも記録できちゃう。

この製品のマクロは、上記のアプリを使わずとも本体横のマクロキーを使ってリアルタイムに記録することも出来るんですな。ゲーム中にマクロを変更したい時なんかも、わざわざ前述のアプリを起動する必要はないワケです。しかもマクロボタン横の3種類に切り替えできるスライドスイッチ(写真下部左側)により、前述の3つのシフトキーとの組み合わせにより、実に72種類のアサインが可能と来た。
・・・そんなにマクロ化しないといけないようなら、そのゲームのインタフェースに大いに問題があるような気がしますが。 なので、烏丸はシフトキーは殆ど使うことなく、主にメインキー8個にアイテムやら魔法などの瞬時に使用したいキーをアサインするだけで精一杯だったんですな。
と、まぁ久しぶりに誉めることメインなレビューでしたが・・・いささか残念な点を追加。
これ、実はWindows2000やMeの世代の製品なのですが、発売後にしばらくして同社がゲームのハードウェア事業から撤退してしまったためか、ドライバのアップデートがされてないんですな。 環境周りのお話なのでなんとも個人差が発生するとは思いますが、烏丸のXPマシンでは動作異常を起こすこともしばしば。RTSやネトゲ全盛の今こそ、このコントローラの出番だと思うのですがねえ・・・なんとも惜しい。実に惜しい。
あとですな・・・これも烏丸の個体だけかもしれないのですが、若干ではありますが、筐体の成型時に出来たと思われるプラスチックのヒケが一箇所。造形的に難しいのかも知れないですが、見栄えがいいコントローラなだけに、なんとも惜しい。殊更に惜しい。
とは言え、正直これを超える左手用のコントローラってのは現時点で恐らく存在してません。無理やりFPSで使用できなくもありませんし・・・ただ、プレミアがついちゃっているようで、オークションなどでの取引値は少々高目。(烏丸は2000円で購入しちゃったので、相当ラッキーだったと言えましょう) ご自分の環境と懐具合と要相談カモ。
デザイン ★★★★★
操作性 ★★★★★
備考 おおお。初の満点?
参考URL メーカーHP
この製品発売当時、同社からボイスチャット用のデバイスも発売されていたようです、が、残念こちらは国内販売は無し。当時は日本国内でネトゲがそれほど盛んではなかったってことなんでしょうな。っていうかボイスチャットってあんまり日本人向けじゃないと烏丸は愚考しますが・・・マイクロソフトも同じ考えだったのかしら?