【レビュー】KONAMI HYPERBOY
2006年 02月 12日
いやいや、先週頭から職場が変わりましてな。図らずも思い出の土地、神保町に毎日通うハメに。なーんでまた神保町が思い出の場所かっていいますと、実は出身大学がそばにあったりとか、かつての恋人との思い出の喫茶店があったりだとか、所轄の警官に職務質問されたりとかではなく、単純に10年ほど前の一時期、足しげく通っていた場所だったという・・・あー別にどうでもいい情報でした。
で、神保町ということで烏丸、毎日半蔵門線で表参道乗換えなんですが、いやー、表参道の地下鉄構内、知らぬ間に恐ろしくお洒落な感じに様変わりしておりまして。よくよく考えてみますと表参道は代官山や六本木と並ぶお洒落ポイント。どおりでなんだかアートチックな壁画が描かれていたり、小綺麗なOLさん方で足の踏み場もないほど繁盛しているケーキ屋さんが地下街だというのに軒を連ねていていたりと、大変華やか。駅構内でありながらデートスポット? みたいな。まぁそんな話を家人にしますと、やれ今度連れていけだのオミヤゲ夜露死苦だの言われて辟易するので、敢えて語らないワケでありますけれども。
さておき、この手のお洒落な街でよく見かけるのがカフェやらアパレル、雑貨系のお店。そーいった店にクラシカルなタイプライターやらブラウン管のモノクロテレビなんかをオブジェとして置いてあったりしますな。一方、モダンなアートやら家具なんかで統一して、いわゆるキレイ系に演出しているお店。どちらも一般的ですが・・・どうもレトロもモダンもインテリアとしてはステレオタイプ。他の店と一線を画すために、このインテリアで一工夫するのが繁盛の秘訣なんではなかろうか、と。
そこで本日はインテリアに最適だと烏丸の中で大評判のコントローラを大紹介。
それがこの「HYPER BOY」
この製品、ご存知の読者ちゃんもおられるかと思いますが、初代ゲームボーイ用の周辺機器。なんと今をときめくコナミ印の製品なんですな。
裏面を見るとほれ、この通り。
鉄砲玉がグッサリ深々と差し込んだドスの如く突き刺さっているのは初代ゲームボーイと同じ筐体を流用して1994年に発売されたゲームボーイBros.であります。この刺さりっぷり・・・おそらく兄貴は助からないでしょうな・・・っていうかこの様に差し込むことで、インターフェースがHYPER BOY側に接続される仕組み、と。 うーん、Bros.のスケルトンが香ばしい。
インターフェース、なんて申しましても、初代ゲームボーイが持っている外部I/Fはイヤホンジャックと外部EXT(対戦ケーブル用ジャック)くらい。携帯ゲーム機ですから当然、外付けのコントローラの端子など無いワケです。
じゃーどうするかといいますと・・・
ジョイスティックを上下左右に動かすと・・・
ジョイスティックを操作すると、中に突き刺さったゲームボーイの十字キーを秘密の突起がぐーりぐり。実に! 実にアナログな仕組みなんであります。
ボタンも同じく突起が荒々しく飛び出す仕組み。あ、写真はとってませんが、SELECTとSTARTボタンもこの要領で。
さらにジョイスティック以外に拡張された機能としましては・・・
定番、フロントライトとレンズによる画面の拡大。
フロントライト、なんとLEDじゃなくてムギ球。なんか激しくノスタルジック。学研の「科学と学習」の香りがしますな・・・ってこの辺のライトで画面を照らす種類のギミックは携帯ゲーム機が出るたびに各社がこぞって発売するタイプのギミックですな。今も昔も変わりなく。
レンズの方はゲームボーイアドバンスなんかに見られる同様の製品と同じ仕組みなのですが、それらの製品が携帯ゲーム機らしく「手に持って」使用するが為に、持ち方を変えたりするとレンズが激しくゆがむのに対して、HYPERBOYは地べたにおいて覗き込むタイプ。筐体の安定感のおかげで画面拡大についてはナカナカ好印象・・・なのですが・・・これについては後述。
こちらも定番のステレオスピーカー。ゲームボーイのスピーカーはモノラルでしたので、これによって臨場感のある音になる・・・はずなんですが、スピーカーユニットが200ミリワット。今日日USBバスパワーのスピーカーでも普通に2wくらいあるんですが。
で、実際のところ、このHYPERBOYによってゲームボーイの操作性が向上するのかといいますと・・・読者ちゃんのお察しの通り。何しろこのジョイスティックがグンニャリ。まー仕組み的にメカニカルなタクトスイッチが使えないのでこればっかりは仕方がないとは言え、あろうことかボタンまでもがグンニャリ。お気に入りの「魂斗羅スピリッツ」をプレイしましたが、とにかく上下左右ABすべてにおいてレスポンス低下。ううむ。
フロントライトと画面拡大についてもしかり。初代ゲームボーイ~同Bros.の液晶はバックライト無しのただのSTN液晶。ライトをあてることで若干の視認性向上が期待できそうなのですが・・・
拡大ギミックのための奥行きのせいで、レンズのハウジングが液晶に影を作っちゃう・・・ムギ球の配置は上下に2箇所あるんですが、やはりムギ球の限界なのか、輝度ムラがあるんですな。どーして設計の段階で気づかなかったんですかコナミの中の人。っていうか当時はLEDのお値段が高かったり今見たく性能がよろしくなかったのかしら?
まー結局のところゲームボーイの携帯性やら視認性、操作性というすべてのポイントにおいて携帯ゲーム機らしさを奪うこの製品。なんか欠点ばかり並んじゃいはしましたが・・・とにかくデザインの良さだけはガチ。初見ではNES(海外版のファミコンですな)ライクに見えたカラーリングも、よくよく考えて見れば初代ゲームボーイのカラー。
それに加えて直角を極力使わないよーにデザインされたこの形状が、古典SFっぽい雰囲気でイカしてます。うっかり80年代前半かしら、なんて思わせるデザインですけれどもゲームボーイの周辺機器ですからね、発売は91年末。あらあらつい最近なのね、ってもう15年も前なんですな・・・
デザイン ★★★★★
操作性 ★☆☆☆☆
備考 コナミのこーいう仕事はもう見れないんでしょうなあ
参考URL メーカーHP
まー上記URLからこの製品を検索しても見事にヒットしませんが。