【レビュー】SEGA TERADRIVE MOUSE HTR-2300
2007年 03月 15日
日中の春めいた陽気とは裏腹に、夜及び明け方の寒さに早寝早起きを余儀なくされている烏丸です。いやークシャミで目がさめるとかって厳しいですな。しかも目覚ましが鳴る40分前とかだったりすると二度寝するワケにもいかず・・・季節の変わり目ってーと体を壊しやすい時期。読者ちゃんもお体、ご自愛くださいまし。
とは言え、この冬と春の境目。
烏丸が潜む東京都町田市のはずれでは、梅と桜がコラボレーション。梅にしろ桜にしろ、その品種によっては開花時期が重なることもあるんですが、今年は冬が長引いたせいか梅の開花が遅れたせいか同時咲き。結果、拙宅の眼前では桜、裏山では梅と、なんとも見目麗しい感じに色づいているんですな。うーん、こーいうコラボレーションは大歓迎~みたいな。
さて"コラボレーション"なんて単語。マーケティングの結果、双方にとってメリットがある・相乗効果が見込めるなどの場合に立てられる、いわゆる"共同企画"のコト。一昔前までは普通に"共同企画"という言葉で呼ばれていましたが、なんだか気が付いたら横文字。(日本語の将来を憂いてしまいますな・・・)
Wikipediaの記述を見る限り、最近では企業間よりもアーティストだとかのコラボの方が活発なご様子。しかし烏丸が印象に残ってるコラボといえば・・・

"SEGA TERADRIVE"
なんとSEGAとIBMのコラボレーションPC。"SErvice & GAmes"と"International Business Machine"! 一目で娯楽業界に一途だとわかる前者、実直を地で行くハードウェアベンダであるコトが分かる後者。社名の略語を日本語に直訳するだけでも、両企業の路線と目的・信条に嘘が無いことがわかりますな。なんていうか、"股ぐら"を"ビキニライン"と読み替えるような卑劣さとは無縁。いや全然ダメだこの比較対象。
さておき、名前だけでも相対している両社がガッチリとタッグを組んで発売したこのPC互換機、それがTERADRIVEなんですな。
しかし残念、ご存知の通り後継機も出ることなく、スペック違いの3モデルで終了、しちゃったとゆー。
今となっては図りかねるところではありますが、
SEGA :メガドラファミリー製品拡充+PC市場に食指
IBM :ゲーム業界への足がかり
とかそんな思惑だったんですかね。
ふと考えるとこの両企業。大企業である・その道のエキスパートであるという共通点のほかに、非常に似た境遇。
SEGA :ドリームキャストを最後にコンシューマハード撤退
IBM :コンシューマ向けPC部門をLenovoに売却して撤退
ああ、なんか悲壮。その後の話は現在の通り。
SEGA :ソフトウェアベンダーとしてかつてのライバルにゲーム供給
IBM :ハードウェアはサーバー部門に注力
まーIBMに関しては、WiiやらXBOX360のCPUを担っていると言う点で、コンシューマゲーム機に大きな市場を持っている=思惑の一部は成功しているとも言えますな。(思惑、ってのが烏丸の想像と一致していれば、ですけども)
さておき、この"TERADRIVE"。
一応(失礼)PCなのでキーボードとマウスを装備してるんですが、これがまたいい感じにノスタルジーなんで、本日はそのマウスをご紹介。

ズーン。
あぁ、"ズーン"なんて申しますとちっとも盛り上がってないMicrosoftの"Zune"を連想させますがあれもフェードアウトしそう、って話は置いといて、これがそのTERADRIVE付属のマウス「HTR-2300」であります。いや型番を書いたところでピンとこないですが。


当然と言えばそれまでなんですが、2ボタン。メガドラと互換機だからって3ボタンだったりしないんですな。しかしメガドラ純正パッドがエルゴノミクス(自称)を標榜していたのにもかかわらず、全然エルゴらしくないデザイン。このあたりのデザインはIBM担当だったのかしらん?

ボールマウスゆえにちょっと甲高。
さておきこのカラーリングはなんとも微妙。メガドラに合わせた黒・金・赤のカラーリングではなく黒一色。IBMよりな落ち着いたビジネス寄りデザイン、と一瞬考えたんですが、当時のSEGAとIBMのブランドカラーですな。

コネクタは時代的にシリアルかと思いきや、普通にPS/2。シリアルならシリアルで、PS/2に変換するアダプタなんて今でも入手可能なんでどーとでもなるんですが、面倒は少ない方が嬉しいキモチ。(しかしIntelの次世代規格ではPS/2が除外されるという噂ですが)

ボタンの押し心地は「コチコチ」という感じ。「カチカチ」ではなく「コチコチ」。硬派がウリ(いや本人?は否定するでしょーが)のSEGAと質実剛健のIBMのコラボレーションらしいタッチなんであります。
でもって。

当然のようにボールマウス。
で、これが非常に重量感のあるボールでして。一般的な、というか粗悪かつ廉価なマウスだとこれがまた軽ゥいボールが採用されていたりしますな。ちと比較してみますか。

粗悪代表PackardBellのマウス、

のボールと比較。アララ大きさがぜんぜん違う。
残念ながら烏丸、精密秤を持っていないんで正確なところはわからないんですが、もー明らかに重量も倍近く違う感じ。材質もPackardBellのほうはなんだかカサカサした材質。TERADRIVEのは金属球にゴムの外装。
PackardBellのそれに比べて、TERADRIVEのマウスはなんというか安心感というか頼もしいとゆーか。これは完全にボールの重さと材質の違いってコトなんでしょーね。
そー言えば国内でも普及初期のマウスはまんま鉄球だったりしたこともありましたが、なるほど重い方がよろしい、ってのは作り手も当然理解していたんでしょーな。(まーコストとの兼ね合いもあるんでしょうけど) 最近のゲーム用マウスなんかだと軽さがウリだったり、錘を変更してお好みの重量に変えられたりしますが、昔のマウスは重いほど動かしやすかったという。
問題はマウスパッドを選ぶ、ってコトですかね。やっぱり机の上に直、ってのはどーも苦手なようで、明らかにポインタの追従性が悪くなります。ホコリを巻き込みやすい、ってのも心配だし。しかし今日日、ボールマウス向けのマウスパッドなんてトンと見かけませんからねぇ・・・
何はともあれ、普通に使いやすいマウスではあります。カウント数なんかは恐らく400dpiがいいトコだと思うんですが、マウスパッド次第でなかなかの追従性。それはもう、800dpiを超える/もしくはそれ以上のゲーミングマウスなんかと比べるのは気の毒ってもんで。そこはほら、SEGAのロゴが入ってかつIBM設計(じゃあないかもしれませんが)ってだけで、相当に萌えるマウスだと思うんですな。

まー常用するにはアレですけど、見つけ次第お手にとっていただきたく。
デザイン ★★★★★ ブランド勝ち
操作性 ★★★☆☆ ボタンの少なさはアプリでカバー
備考 TERADRIVE自体は改造ベースとして人気なご様子
参考URL Wikipedia TERADRIVE
"歴史にIFは無い"のは重々承知ノ助なんですけれども、もしこのTERADRIVEが商業的な成功を収めていたら、なんて想像するといささか興奮。例えばサターンのCPUがPowerPCベースだったり、ドリキャスのカラーが黒い上に"Powered By OS/2 Warp"だったり、最終的にIBM-SEGAなんて合併? ああ。
いやOS/2はねーな・・・