【レビュー】naturalpoint TrackIR 3 Pro
2005年 02月 06日
勝手に特別寄稿のコースケです。
TrackIRシリーズ・・・頭で操作する装置。フライトシミュレータなどで、プレイヤーが実際に向いた方向をゲーム内でも追従させる・・・そんなヴァーチャルリアリティを実現する夢のデバイス。
コントローラ好きな私にとっては、気になる存在でした。
便利なのか、そうじゃないのか。
買っちゃったら私は「また」貧乏クジを引くことになるのか・・・
ということで、せめて一言でもいいから生の声が聞ければと先日、コントローラ掲示板(@PCコントローラ特論 by内藤らいた氏)で、なかなか想像がつきにくいTrackIRシリーズの使用感覚を「おしえて君」したところ、持っている人がおりませんでした。 ネットで検索すると、この製品についてのレビュー記事はいくつかあるのですが・・・ホントは生で質問したかった・・・だって、チャレンジするには安くないんだもの。
まぁ、腹くくって勇気を出して買っちゃいました。
これがモニタ側に設置する赤外線の照射側ユニットです。
で、どうせ買うならば、と専用帽子まで買っちゃいました。
っということで烏丸さんや内藤さんのまとめ上げられたレビューには及びませんが、だらだらとレビューなど・・・
まず、言っておかないといけないのは、私はゲームをほとんどしません。
なので、特定のゲームでの使用感は残念ながらここではわかりませんよ。期待しないでね。
まず、これはジョイスティックではありませんでした。(わかってましたけどね。)
TrackIRは・・・
・マウスエミュレーターであり、
・ポインティングデバイスであり、
・モーションキャプチャーなのです。
つまりこれはマウスの延長であるため、ジョイスティックで使うには工夫が必要、ということです。(マウス動作をキー入力に変換するような、いわゆる”JoyToKey”の逆バージョンみたいなのが必要ということでしょうか)
初見ですが・・・動かし方が想像していたのとはチョット違っていました。
まず、赤外線照射側のユニットをモニタとユーザーの間に設置した状態で、専用のユーティリティを起動させます。このユーティリティがバックで動作している時だけ、この製品のセンサーは入力を受付けます。(言い換えれば、このユーティリティがバックグラウンドで動作しない環境では、TrackIRは動作しません。)
そして、赤外線の受光側。前述の帽子のツバの中央先端部分と後頭部側に一つずつ、受光用の素材がついています。操作する時はこの帽子を前かぶり、もしくは後ろかぶりで装着する必要があります。(前かぶりで帽子を使っていたほうが、首の中心からの反射材の距離が遠く、同じ角速度でも反射材の動きは大なので扱いやすいです。) 私は専用の帽子の購入しましたが、専用でなくても普通の帽子に反射材つければよいだけのことなんですけどね。
つまり、モニタの上に載せたユニットから照射される赤外線を、帽子の反射材で反射させることで、マウスポインタを操作するわけです。
ご想像の通り、このデバイスは画面上の場所の指定のしにくさが若干ありますが、なんとか慣れの範囲で。(感覚としては、大型タブレットのペンでカーソルを動かしているような感覚といったらいいでしょうか。) 楽かどうかは個人差大ですが、マウスの方が位置を指定する動作は簡単ですよね。でもタブレットのように直感的な入力には良いでしょ?
っということで、
へたくそですみません。ですが、マウスで字を書くのより短時間で書くことができました。
当初、ウチの環境では、TrackIRは正常に動作しませんでした。原因は白熱球です。どうやら受光部の近くにあると誤動作するようです。また、メガネもあまり良くないようです。(メガネをかけた状態で照射側と真正面に正対すると誤動作します)
どうやら照射された赤外線がメガネのレンズで乱反射する為のようですが、私を含め常時メガネを利用する人間には不向きかも・・・(烏丸 註:烏丸もメガネッ娘でーす ノシ)
結局のところ、TrackIRはユニット自身が赤外線を照射と検知を担当するWEBカメラといったところでしょうか。(ユーティリティのキャリブレーション画面で、ユニットに顔を近づけると、画面に自分の顔がうっすらと白黒に映ります。 顔面が赤外線を反射しているワケです。) この反射感度を調節することで、マウスの動きがユーザー好みになるということになります。
この感度ですが、デフォルトの設定値では、顔をモニタより1m離した状態で、視線をウィンドウズの「スタートメニュー」〜「時計表示」まで動かす程度で、マウスカーソルを画面の端から端まで動かすことができる程度に設定されています。(もちろん、設定により好みに検知精度を変更可能です。) 感度には好みが有りますので、猛烈に顔を動かしたい人は感度を鈍目に設定すればいいわけです。(おすすめしませんが。)
さて、実はこの装置、クリック入力が無いのです。
クリックするのはクリック動作をホットキーでキーボードに割り当てるか、マウスのクリックボタンを使うかしないとできません。これについては、前述のユーティリティープログラムで指定できます。指定できますというか、指定しなかった場合、せっかく離れた手がマウスのほうにまた伸びることになります。
ということで、私としては”ASCII MOUSE USB(ASC-1602M)”との併用をおすすめします。
このマウスはハンドマウスモードという付加機能がウリだったのですが、残念なことにこのモードは大変使いづらいのです。 ですが、今回ご紹介したTrackIRとは弱点の相互補完で大変重宝しました。というか、今のところ、まさにこの使用方法のためにあるといってもいいくらいの相性です。(烏丸 註:今なら秋葉で500円以下で買えちゃうヨ!)
TrackIR、しばらく使っていて思いつきました。
「そうだ、ロトの剣だ!!」
スクウェアエニックス『剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣』のロトの剣が似たような反射材を使っているのを思い出し、引っ張りだしてみたところ、なんと使用できました。(笑)
最近使ってなかったのに・・・文字通り伝説の剣が甦りました。反射材が複数箇所についているため、大変使いにくいのですが、なんとか操作できます。
ロトの剣に限らず、なにか反射素材を上手に利用すれば木刀でもお箸でもポインティングデバイスにすることが出来そうです。このデバイス、無限大の可能性を秘めているかも・・・
デザイン ★★★★★
操作性 ★★★★☆
備考 赤外線を常に照射するせいか、消費電力は高め。USBハブの使用は止した方がいいかも。 操作への慣れは大いに必要だが、新しい可能性を秘めている。別途クリック用のデバイスが必要。(手持ち型のマウス等)
特典 「ロトの剣」でマウス操作できる。(だが相当不便、正規使用法ではないのでおすすめできない。どうしても使いたかったら、一つを残して他の反射材を紙で覆うなどの工夫が必要。)
参考URL メーカーHP
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