【レビュー】SplitFish EdgeFX 中編
2007年 05月 01日
さて今回は期待のデバイス「SplitFish EdgeFX」レビュー中編。
前回は同デバイスの各部位、および烏丸の初見についてツラツラと書かせていただきましたが、今回はいよいよ実際にFPSでの動作具合を検証。

検証に使用するのはこれ、EA社の「BLACK」であります。
耳にする評判もよろしく、そのうち購入しておかねばならぬなぁ、と思ってはいたもののPS2故に操作はゲームパッド。しかもDualShock2互換のコントローラ以外は受け付けないという難物。(しかもゲーム自体も結構な骨太ときた) なのでナカナカ購入に踏み切ることが出来ないでいたのですが、今回のEdgeFXはDualShock2互換。しかも心配のタネであるエイミング(照準操作ダヨ)をマウスで出来ちゃうってんですから、時は満ち足りと言わざるを得ませんな。
さて、プチおさらい(と蛇足)。

このEdgeFX、特殊すぎる印象がありますが実は単なるDualShock2の右アナログスティックをマウス状のデバイスに置き換えただけ。FPS以外の一般的なゲームですと、右アナログってのは案外出番が無い部位。
しかしFPSだとそうはいかない。

左のアナログスティックで自機(といっていいんだろうか)の前後左右移動、右のアナログスティックで照準操作&視点移動というのが一般的。これは実はPCなんかでもいっしょでして、異なるのは自機の移動がWASDのデジタル入力ってコトくらい。
一般的なFPSの操作方法の比較
【PS2】
・自機移動
→左アナログスティック(アナログ入力)
・照準(視点)移動
→右アナログスティック(アナログ入力)
【PC】
・自機移動
→キーボード(WASD)入力(デジタル入力)
・照準(視点)移動
→マウス(アナログ入力)
実際はその他の操作(武器の切り替え・しゃがむ・走る・アイテム使用他)も当然存在するんですが、ちと割愛。
さておき、両者の共通点は照準(視点)の移動だけはアナログ入力という点。しかしながら前者はアナログスティックゆえの親指一本操作、後者は手首(ともすれば肘まで)を使った操作。どちらが精密な操作に優れているかと言えば正直、烏丸的にはFPSでお馴染みなのは後者。それどころかFPSをたしなむ人のほとんどはマウスでの操作に慣れ親しんでいるハズ・・・
本当ならPS2のUSBポートにマウスを挿してそのままプレイ、ってのが理想なんですが残念、それを許してくれるPS2用のFPSってのはついぞ耳にしたことが無い。じゃあ、ってんでEdgeFXの出番、ってコトになるワケであります。
と、いうワケで早速PS2用FPSの傑作(?)らしい「BLACK」
このゲームも先ほどの"一般的な"操作方法を踏襲しているんで、そりゃあもう大活躍な予感。

って、思ったんですけども・・・どーも違う。
違う、なんて申しましても烏丸、このゲーム自体初体験。何しろこのEdgeFXのためにわざわざ購入したもんですから、作り手の想定するDualShock2でもプレイと比較してみないコトには・・・ともあれ、その違う、と思うに至った経緯を以下に。
このゲーム、やはりDualShock2での操作を前提としているためか、照準(視点)移動の操作が大分遅め。もちろんアナログスティックの倒し具合によってある程度の加速が入るには入るんですが、その最低値も上がり幅も小さく設定されているんですな。
いかにもアナログスティックでプレイした折には、感じ方に個人差はあるかと思えども、納得できるデフォルト値。

ところがこの照準の移動速度(&加速度)を、そのままマウスというデバイスに置き換えると・・・なんとマウスをいくら早く動かしても、そのデフォルト値を超えることが出来ないとゆー。
オイオイ、と思いながら「BLACK」のコンフィグ画面から照準(視点)の移動速度を変更・・・って思ったらなんと、そんな項目は無し之助。アラヤダ。
で、ちょっと思い出すのがEdgeFXについているマウスの速度調整ダイアル。

おー、これさえあればどーにか・・・って、ならない。当然、ならない。何故ならば最終的な速度を決定するのは、他ならぬゲーム側の設定なのだから・・・って終了?
という、マウスのはずなのにマウスならではのクイックさが失われる可能性がある、ってのが1点。"可能性"なんて言葉で濁してしまうのは、「BLACK」以外のFPSではそのあたりの設定変更が出来るモノもあるから、なんでありますけども・・・BLACK・・・トホホ
しかしそのガッカリ気分を若干解消してくれる要素も。

このBLACK、やはりDualShock2での操作を前提にしているからなのか、それともPC用のFPSとはユーザー層が異なるであろうと想定しているからなのか、照準が若干甘め。もちろんFPSなんでヘッドショット(頭部ヒットで即死。これのせいでFPS中毒になる人多数)も存在するんですが、目視した感じで随分ズレているように見えても案外当たる感じ。
この恩恵はEdgeFXで操作した場合も同様で、マウス操作のワリにモタモタするエイミングであっても、「この辺?」くらいの曖昧さでヒットしちゃう。うまくいくと即死。初プレイノーマル難易度設定でスンナリクリア、とは行かなかったものの、それなりに善戦できちゃうんですな、EdgeFXでも。
もちろんFPSにそれなりに慣れている、かつ相手は所詮CPUってコトもありますが、なんだかこれなら大丈夫・・・な気はしちゃう。
もちろんこの照準が甘いお陰でどーにか、というのは「BLACK」だけの可能性も無きにしも非ずんば虎子を得ずなワケで、他のPS2用FPSの中には同じ操作形態でありながら照準の判定がシビア、なんてゲーム(が、あるとすれば)の場合はDualShock2でもプレイしづらいでしょーし・・・。
とはいえ、照準の速度調整の有無がゲーム側に存在するか否か、言い換えるならゲーム側の「気のつかい具合」で、EdgeFxが「使いモノになる/ならない」が決まるんだとしたら・・・それはなんか違うんじゃないのかなーという、冒頭の言葉になるんですけれども。

ちょっと期待しすぎた、ってコトもありますが、あくまでもマウスというカタチを経由してDualShock2をハードウェアエミュレーションしている稀有なデバイスである、PS2用のFPSをマウスで操作するにはこれ一択、しかも実売価格が7000円しない、という風にプラス要素ばかりを並べてみればおのずと納得・・・でき・・・すいません、もー少し時間をくださいまし・・・
なんかこー、歯切れの悪い話で恐縮ではありますが、総括は次回「PCとの接続編」にて。
(あー、この記事で欲しくなくなっちゃう人、いるんだろうなー・・・)