【レビュー】ELECOM JC-U609BK
2007年 05月 27日
妥協に次ぐ妥協の半生。烏丸です。
今思えばこのあたりが落としどころかー、なんて思ったのが運の尽き。
例えばファミコン。
溜め込んだ小遣いを握り締めてデパートへ。ファミコンくださいの言葉にも無常に"売り切れです"と答える店員。目を落とすとそこにはセガのSC-3000H、そして購入。
(妥協の結果、セガ信者としての人生開始)
例えば車。
フルオプションを指定して発注したのに純正オプションのカーステレオ(MP3再生機能付き)が来月にならないと入荷しない。しかしその車を使って旅行に行く予定が・・・仕方なくラジカセを後部座席に置いて旅行。
(CDを満載して長期旅行)
例えば就職。
全然とは言わないがそれほど興味の無かった業界に4月に内定。本命の試験がよりによって10月。それまで待って内定取れなかったら・・・本命を捨てて内定企業に就職。まーIT関連なんて横文字だしクリエイティブだしー。って思ったらほとんど体力勝負。
(ホワイトカラーとは名ばかりのIT土方)
・・・書き連ねてみると単に堪え性が無い半生だっただけだって反芻できてゲンナリ。
妥協の結果が吉と出るか凶と出るかは正しく八卦。案外うまくいったりすると妥協しなかった場合よりも良い結果なんじゃないかなんて思っちゃうのが人生の面白いところなのかも知れません。
さて拙ブログのテーマは"ゲームのコントローラ"なんですけれども、烏丸としましては拙ブログのテーマ「駄目なコントローラ」に重きを置いてご紹介させていただいている都合上、
「xxxのゲームをプレイするのに良いコントローラはないカナ? カナ?」
みたいな純粋な心をお持ちの読者ちゃんのご要望には沿うことが出来ないワケですが、本当はアレがベストだけどこーいう選択肢もありましてよ? なんて正解に近い(ようでそうでもない)ヒントを差し上げることも出来たり出来なかったり。
じゃーそんな「xxxのゲーム」が"アナログ入力を必要としない"デジタル入力のみのゲームだと仮定すると、素直に進めたいのがご存知、「復刻版サターンパッド」(→【レビュー】)

若干ながらもオリジナルと異なる部分もあれど、実に良く出来たパッドでしてこれはもー、PCでアクションゲームをプレイされる(できればセガ信者以外の)読者ちゃんにお試しいただきたい、なんて思いながらも実は絶版、つまり入手困難。
ウッカリ者の読者ちゃんの中には、「嗚呼、あの時に買つておけばよかつたものを」とお嘆きor世を儚んで樹海へゴーな方もおられるご様子・・・しかしご安心あれ、世の中にはサタパが入手できない気の毒なコドモ達のための妥協用受け皿となるコントローラも存在するんです。
それがこれ。

サタパから妥協するにあたっての第一候補、「JC-U609BK」であります。
いや、第一候補なんてーとサタパに次ぐ完成度なの? みたいな雰囲気ですが否。断じて否。

単純に手に入りやすいだけっつー話。
で、どーいうコントローラなのかと言うと、これがまたうまいこと妥協して購入した人間の気持ちを打ちのめすクオリティ・・・。
まーとりあえず順に。

いきなりキタ。国内のメーカーがどーにかして十字キーをごまかしごまかし模倣するかということに血道を上げているところにこの形状。 十字キー? なにそれ? 的な勢いと潔さと投槍感。

なんですが、これが案外良さげなタッチ。
若干ストロークが深すぎるような気がするものの、適度な弾力で八方向が思いのまま。独特なエンボスも慣れてしまえば上下左右をブラインドで探るに困らない感じ。もちろんサタパ同様に中央を押しても全方向同時押し状態にはならず。なんか良さそうな気がするんですが・・・。

サタパと同様のボタンサイズに配列と刻印。妥協云々を抜きにしてもこの配列だと案外スンナリ購入のキッカケになってしまうかも。
しかしながら押下感は若干固めで基板とボタンがぶつかる音も大きめ。ウッカリ要連射のシューティングなんかで使用するともー、パカパカパカパカパカ・・・実にうるさい。連射したいならソフトウェア側から設定するのが吉。

あと気にしなくてもいいのかもしれませんがどーにも気になる(どっちだ)のがボタンの角度。
なんかロゴが斜めってる・・・刻印の角度がズレてるのかと思いきやボタン自体のスライドの位置は整合。つまり設計の問題。

もーひとつ気になるのがボタンの脇にかかれた△▽印。
・・・なんだろう? こっちが上段でこっちが下段だよーってマーク? 点字みたいなもん? ?? ひょっとしたら専用のユーティリティなりでマウスエミュレーション→ホイール割り当てなんてコトができるのかもしれません。(利便性は兎も角)

サタパと同様に中央にぽつねんと配置されたボタン。可もなく不可もなく。

こちらはサタパと異なり内側にスイッチがあるLR。ストロークが若干あるからなのか、なーんか・・・


妙な隙間が。
成型精度が悪いとかじゃなくって設計が荒いってー感じ? 3mm近い隙間なので異物が入っちゃう可能性も有り・・・なんでこーいうところに気が回らないかなー。
と、まぁ細かいところが気になるもののそれなりに実用してみたくなるツクリ・・・なんですけれども、サタパが実勢価格3000円ちょっと、こちらが1000円以下(ひどい時は300円)という価格比で考えてもまさしく、妥協できるセン。おお、これなら許せるのか?
ところがネットで調べると思った以上に芳しくない評判。その一因とゆーのが、

この方向キー。故障率が非常に高いという話がチラホラ。
故障の原因はおおよそ2つ。
1つは方向キーの軸の破損。使用されているトランスルーセントなプラスチックの質が悪いのか、そもそもサタパのようなコンシューマ向け製品の耐久性と比較するのが間違いなのか折れやすいらしい。
もー1つは方向キーが効かなくなる現象。
これはおそらく方向キーに使用しているゴムスイッチが押下圧によってちぎれたり硬化して凹んだ状態から戻らなくなったり、ってな想像。
想像、ってのは烏丸の持つ個体では出てないんですよね、この現象。軸も無事だし。それとももっと使い込むことで、その現象にお目にかかることができるのかしらん? いや別にお目にかかりたくないですけれども。
やはりコストの低い製品、ってのが全ての欠点に対して悪影響を及ぼしているようで気になるポイントは上記の評判も含めてしばしば。他にも表面の処理が非常に安っぽいとか、選べるカラーが3種類あるもののどれも

絶望的な配色とか文句をいい始めたらキリが無いものの・・・秋葉原での実売価格が300円程度とサタパの代替品として妥協するには許せ・・・ないですかねぇ、やっぱり。
デザイン ★☆☆☆☆ 使うときは手元を見ない
操作性 ★★★☆☆ 方向キーは自前で改良するのも手
備考 後述
参考URL OEM元
市場にはプレステライク、なコントローラはウンザリするほど存在するにもかかわらず、ほとんど見かけないのがサターンパッド型。そこに件のサタパ復刻ですから喜んで市場に受け入れられたのは分かるんですが・・・どーも本当に欲しかった人に行き渡らないままに生産終了ってのは残念。
サタパ難民、なんて言葉は存在しないとは思いますが、似たようなコントローラをお探しの方の妥協先となるよーな"サタパライク"バリエーションがもー少し、欲しいですなー。