【レビュー】SANWA SUPPLY JY-P57UBK SmartGripII
2007年 08月 28日
デジタル社会に荒々しく揉みしだかれて恍惚の表情。烏丸です。
いやはやなんだか「デジタル社会」なんて言葉が聞かれるようになってから結構な年月が経過してますが、案外アナログですよね人生。朝は朝で目覚ましがなってから布団でウダウダして適当に起床、仕事は仕事で当初のスケジューリングなんて形骸化しちゃったまま進行、そして何となく反省。夜は夜で眠くなったころあいに就寝、と。
本当の意味でデジタルに生きることが出来たとすれば、それは人ではなく人を超えた何かなんでしょうねぇ。人を超え獣を越え神になる・・・デジタルに生きてる獣って、イヤだなあ。
さて、このデジタル社会、っていうか「デジタル」という言葉。
なんだかこー、気が付けばイロイロなコトが"デジタル化"しちゃってまして枚挙に暇がないんですが、どーもゲームのコントローラに関しては最近の流行は「アナログ入力」有りき。
これはゲームのインターフェースがデジタルな世界のクセにアナログ入力を要求するのが一般化してることに起因してるんでしょうが、もはや「アナログ入力」が無いモノは選択肢に上がらないくらいに、店頭のコントローラ売り場はアナログ入力付きのコントローラが中心。
もちろん、デジタル入力のみの製品も存在しますが、やはり部品点数が少ないせいか"廉価=粗悪"なモノばっかり・・・ウウム、デジタル入力のみの高級志向、ってのは市場に要求されていないのかしらん?
烏丸としましては、アナログ入力よりもデジタル入力、いわゆる方向キーがしっかりしているコントローラの方が好みなんですけども。
じゃあ本日は高級デジタルパッド? と思いきや、国産ペリフェラルメーカーとしてはアナログ・デジタル問わず良くない評判ばかりが目立つ、SANWA SUPPLYからこんなの。

これ。
左右非対称が今日日珍しい、「SmartGrip2」であります。インターフェースはUSB、カラーリングは数種類あるようですが烏丸が所有しているのは黒。
ご覧の通り、アナログ入力(アナログスティック)は1つだけ、他は全てデジタルというちょっと異色な実装。いわゆるDualShockを模した配列が定番化して久しいですが、烏丸のように方向キーの使用頻度が「デジタル>アナログ」であるユーザーには必要最低限を満たしている、嬉しい8ボタンコントローラであります。


とは言え、3次元的なデザインはグリップと相まって時代遅れ感も無し。(つっても、ここ5~6年のコントローラで時代遅れ感のあるコントローラって何? ってな感想ですが)
ほいでは例によって各部位の拡大写真と共に。

右親指が担当するのは4ボタン。天板は半球型。そいえばこのコントローラ、平面部が一箇所もありません。ストロークも常識の範疇で押下時にも適度な反発。ちなみに連射はご覧の通りの・・・

連射対象を押しながら"TURBO"ボタンを押下するタイプ。
まー今風であります。

ただ、"TURBO"ボタンがデザイン上、若干右より。
なので左親指を方向キーから離して咄嗟に連射設定、という動作に少々難儀。まー"TURBO"ボタンが特徴的なデザインなので、押し間違えるよーコトがないのが幸い。

LRは定番、2×2配列。タッチはカチコチと固め。
右手親指のボタンが4ボタンだとLRはこーいう配列ですな。たまーに右親指6ボタンのLRが2×3とか言う狂った実装も見受けられますが。

烏丸が一番気に入っちゃったのが、この方向キー。
十字でもサタパ風な丸十字でも無い独特の形状。全押し不可で触り心地は個人的に良好。少々小さめな径が指に馴染みます。

つっても上下左右の正確な4方向入力よりも、シューティングゲームなんかのダイナミックな8方向入力の方が得意、というのは十字キー至上主義な向きには切り捨て対象、なのカモ。ストロークも深からず浅からずで悪くはないんですがねぇ。(流用されているのを見たことがない、ってことは世間一般の評価が低いってことなのかしら・・・それとも金型が失われたとか? ダグラムみたいに?)
さて。
個人的に方向キーで満足したので、まーアナログスティックは蛇足かなーなんて思っているワケですが、一応。


偉く軸が補足て華奢な印象。
一般的なDualShockライクなアナログスティックよりも心なしか背が高く、"キモチ"倒しこみが深い感じ。逆に言えばその分、繊細な入力を許容してくれそうな、安っぽいようで上品なタッチが面白い。
面白い。
面白いんですが・・・


なんとデジタル方向キーと入力値が共通。
前述のデジタル方向キーはこのアナログ入力を単純にデジタル化したものとゆー。つまりアナログ入力とデジタル入力を使い分けさせるゲームでは使用不可。
通常のこのテのアナログ入力付きのコントローラですと、方向キーがハットスイッチ扱い、アナログがX軸Y軸で"ANALOG"ボタンで切り替えってのが常。

パッケージには確かに「アナログスティック付」とあるので看板に偽りは無いんですけども・・・これ、買う側の認識とズレてますよねぇ?
烏丸のように、「アナログ~・・・? 有ってもいいけど無くてもいいカモ~」みたいな向きにはオススメ・・・出来るには出来るんですが、どーもこの存在意義のわからないアナログスティックがなんとも目障り。
どーせならこの部分がハットスイッチとかになってて各種マクロが登録可能、とかだったらデジタルのみのコントローラとしてソコソコの評価が得られそうな気がするんですけども。 そこはやはり・・・SANWA SUPPLYってことなのかしら?
デザイン ★★★☆☆ 個人的には好きな方向キー、いやそれだけなんですが
操作性 ★★★☆☆ 方向キーに限っては及第点だと思ったら(↓←)
備考 (↓→後述)
参考URL メーカーHP(生産終了ですが)
アナログスティックが方向キーと同じ信号を吐く、と言うことは外部アプリ(例えば"JoyToKey")なんかでも独自のキーストロークやらマクロの設定が不可能ってのが厄介。しかし最初から「アナログのみ」「デジタルのみ」の最低限の実装、っていうか「これはそーいうものなのだ」と考えればある程度は納得・・・すいませんこれ、380円で購入したんで。
烏丸は、納得してます。