ワクワクするだけで済むのかしらん? ヤフオクとeBay相互乗り入れ。
2007年 12月 04日
さて通勤電車で隣席の方が読んでいる日本経済新聞を見てビックリ。なんと"Yahoo! オークション"と"eBay オークション"が提携だそうで。(→ソース)
片や日本国内で一人勝ち(なれど北米ではeBayに惨敗)、片や北米を中心にインターネットオークションの代名詞(なれど2000年に日本市場に参入するも僅か2年で撤退)の両社がガッチリとタッグを組んじゃう、と。うーんセガバンダイの時より個人的にビッグニゥス。もっともこちらは合併解消した上に、今回の話は合併じゃなくて"提携"ですが。
提携による共通化の流れは以下のとおり。
第一段階(2007/12/4 ~)
"Yahoo! オークション" ←→ "eBay"
(「セカイモン」(?)経由でデータベース共有)
第二段階(~ 2008/3/末)
"Yahoo! オークション" → "eBay"
(ヤフオクユーザーからのeBay入札・落札開放)
第三段階(2008中)
"Yahoo! オークション" ←→ "eBay"
(相互に入札・落札・出品開放)
段階的にしかも来年の話とは言え、両オークションを利用している烏丸のような人間には検索性が向上、日本国内のユーザーにしてみれば海外オークションの混沌とした品揃えを垣間見る良い機会。うーん、まさに世界を股にかけた一大市場形成・・・
なんですが、少々心配事。
日本国内でもしばしば問題になりますが、やはり第一に詐欺。
先日も現物を所持しないにも関わらず半年以上ヤフオクで自転車操業を繰り返していた主婦が、何故か無罪になったり、Yahoo自身が信用できる業者として太鼓判を押しているはずのストアが計画倒産したりと、オークションにまつわる事件は実は多め。(何しろYahoo自身を相手取った訴訟まであるそーで)
国内ですらこの状況なのに海外は大丈夫なのン? って心配。
烏丸もeBayでとあるコントローラを落札するものの到着に2ヶ月(しかもその間連絡無し)だとか、在庫豊富を吹聴するストアより"BuyNow"で購入して入金したら実は売り切れ→返金の手続きに半年だとかで結構さんざんな目にあった経験。
しかもやり取りが前述の通り英語、今時エキサイト翻訳でどーにかなると言えばなりますが、それも完璧じゃーないですからねぇ。高額な現金が絡んでくるとなると、詐欺どころか例えば返品なんかの際にも英語という足かせが殊更に重いんですけども・・・そのあたりはどのようなフォロー(補償制度だとか)があるのか? それ以前にトラブルにおけるリスクの周知は? という点。
第二に出品者の立場として不安な点、海外への配送方法。
今のヤフオクのシステムだと"海外発送可能"にした場合、個人でEMS(国際スピード郵便)やらFEDEXを手配する必要があったワケですが、今後そのあたりがシステム的にフォローされるのかどーか、更に言えば海外の落札者に対して出品者個人が返品の面倒を見る必要がある(可能性がある)って点。
そのあたりの整備がサービスインまでになされるのか、ってのも第一の心配と同様。
第三に両オークションのシステムの相違。コレは蛇足ですけども。
烏丸の勘違いだったら申し訳ないんですが、eBayオークションには自動入札機能が存在しないって点。
自動入札にご存知ない方はヤフオクのヘルプなりを洗っていただきたいのですが、例えば現在価格:1000円、入札単位:100円の出品物にAさんが2000円で入札すると、最高入札額は1100円でAさんが最高額入札者。
で、Bさんが1500円で入札すると、最高入札額は1500円、なれど最高額入札者は変わらずAさんのまま。 Bさんが2000円を超える金額を入札されるまではAさんが最高額入札者としていられる、と。つまりAさんは自分が入札した2000円までは自動的に入札される、そーいう仕組み。
本物の(という言い方も変ですが)オークションと異なり自分の予算額を設定できてそれ以上は入札しないで済む、という"熱くなりがちな方にはありがたい"機能。これがeBayには実装されていないんですな。
加えて、時差の問題。
日本と北米では半日以上の時差が存在するワケですが、ヤフオクユーザーがeBayの出品物を落札しようとする場合、自動入札が存在しない為、予算上限で入札して放置、というわけにはいかない。オークションとは本来そーいうものなんでしょうけども。
逆にeBayユーザーが日本のヤフオクのシステムをそのまま利用できるのだとすれば、自動入札のお陰で時差を気にせずに利用できる、と・・・なーんか不公平。
現時点で思いつく心配事を上げましたが、ともあれ続報で提携によるシステムの改良なりが発表されれば、懸念で済むコトなのかも知れませんけどもー・・・ともあれ、それらを踏まえて海外オークションのオモシロサをヤフオクからシームレスに体験できる、と言うのはやはり歓迎すべきことではあります。
かつて無いほど長くなりましたが・・・読者ちゃん的にはどーでしょう?