【レビュー】Vireal TOTAL CONTROL for PC SYSTEMS
2008年 08月 02日
とある外資系企業の方とお話した際のこと。最近の人の動きやらの話の流れから、何となく話題は「日本人的なモノの考え方」の話題に。日本人ってどーしても、自分が言うことに対しても相手が言うことに対しても"行間を読む"スキルを求めるよね、外資系だとそれが通用しないんだよね、でも"行間を読む=相手の真意を慮(おもんぱか)る"って日本的メンタリティなんだよね、って流れ。
なるほど、というお互いの共通認識(あ、お相手の方は外資系企業の方ですが日本人です)を確認しつつ、"武士道"だとか"侘びさび"だとかはグローバルかつ肯定的に認知されているのに、この部分に関してはいつまでたっても通用しないねぇ、でもせめて日本の中でくらい大事にしたいよねぇ、って結論に。
読者ちゃん諸兄は、いかがですかね。そーいう"日本人らしさ"。グローバリゼーション、なんて言葉に翻弄されて見失っていたりしないかしらん?
さておき、たとえ日本人が大事にしていようが容赦なく己の文化を押し付けてくるのが黒船、いやさ諸外国のやり方。今回はそのやり方を
"TotalControll"、なんて書いてありますが正式名称? がどれなのか量り兼ねるパッケージ。っていうか、
仮想コントローラ・・・言わんとしていることは分かるんですが、"バーチャルキーボード"なんかと比較すると大分現実的な一品であります。(触れるしな)
しかしまー、こーいう操縦桿形状のジョイスティックは、今日日フライトシム用の高級品以外は少数派。何しろ世の中でコントローラと言われるものの多くが" 横井イズム"から"プレイステーション型"が大勢、リアリティを求めるならば高級品、ってコトらしく廉価品は淘汰されきったご様子。
つまり"フライトシム=セレブな遊び"ってコトなのかもしれませんが。
ホントのセレブはリアルに自家用機とか操縦しちゃうのかもしれませんが。
さておき、本来なら台座に固定されているハズの操縦桿にケーブルが直生え。なんだかイヤな予感がしますがアラヤダ予想通りの製品。
実際の航空機の操縦桿は握ったコトがないものの、あー操縦桿ってこんなだっけ? みたいなアヤフヤな状態で握りこむも実に材質がチープで残念。まー"仮想 "なんだからチープなのだ、そうだ悪いのは我々日本人なのだと戦後教育の被害者ならではの加害妄想。せめてモノが無い時代に生まれていればこんな贅沢な気持ちにならなかったものを・・・そして生まれた時代を憎む就職氷河期特有の心理。
一瞬の殺害チャンスを逃さないために巨大でセンシティブなトリガー。
シーソー式になってて上半分を押しても下半分を押しても同じボタンとして認識。お好みで押す位置を適宜変えてね(好きな方を押して殺してね)、という配慮なのかしら。こーいうのって実際の戦闘機にも実装されているの?
カラフルな配色がおもちゃ然。
しかしながら明確な理由がありまして、どうやらこの製品、SNES(海外版スーファミな)やGENESIS(海外版メガドラな)にも対応したアダプタを使用することで使いまわしできる、という仕組みが。
どーにかしてSNESとGENESISに対応したアダプタが欲しい、んですがそこまでするほどの・・・いやまぁあれだ。後ほど。
さてカラフルなボタン×3、白黒が各1。
一応ボタンの数的にはそろってはいる、ものの・・・
つまりメイントリガーとサブトリガーを含めてもこの数。
実はこのボタン群、
こっちでもお好みで押す位置を適宜変えてね(好きな方を押して殺してね)、という配慮。いや配慮なのかこれ。
と、言ってもこの悲しいボタン数は前述のSNESやGENESIS、特にSNESではABXY+SELECT+STARTとして認識してくれる、と想像。うーん、せめてSNES用のアダプタくらい探して見ようかしらん?
※あ、そうそう。ボタン下にある上下に動くスイッチは連射設定な。ちなみに色付きボタンが全部連射になるステキ仕様
で。
肝心のジョイスティックとしての機能。ボタンではがっかりさせられましたがこのジョイスティックの真価こそは
10年以上前のモーションセンサー。流石"Virtual"で"Total"。こんな古い時代にも未来がッ! 変な表現だけどッ! なにしろパッケージの後ろに、
外人さんの肉厚な手で振り回しついでに残像までッ!
早速パッケージの外人さんよろしく烏丸も縦横無尽に振り回してみるニャー。
でもね。
しないのな。それは烏丸の筋力が未発達だからなのか、黄色人種だからなのか。
で、アレやコレやと試してみるうちに気づいたんですけれども・・・そのセンシティブな決め打ち角度に。
90度。
いやー無理でしょ実際。左←→右だけでも相当な振り幅が予想される上に、前後は更に絶望的。あーそういうことか、デジタルって。
せめてアナログジョイスティックよろしくキャリブレーションできれば良かったのですが、内部構造もモノの見事に「0か1か」・・・。っていうかこの角度が判明する際に気づいたんだけど、斜め方向に反応しない。 スゴい。なんだか由々しき事態。デジタルにも程があるんだぜ?
入手直後は壮絶に興奮、したもののいざ触ってみて脱力。でも考えてみると、これが発売した当時に"モーションセンサー"なんてコモディティ化してなかったでしょうから、作った人も購入した人も「こういうもんなのかしら」なんて納得・・・できたのかしら?
デザイン ★★★★☆ アダプタの変更で各機種対応って仕組みはステキ
操作性 ★☆☆☆☆ いいんです。持ってるだけで。
備考 後述
参考URL http://www.vireal.ro/
パッケージに記載されている社名を検索してみると、発売元の企業"Vireal"社はルーマニアの企業みたい。で、中身を作っているの"Multi-Tech Industrie"は米国の企業。東欧と米国、そして生産国である台湾のコラボレーション。どちらも物事を「行間を読まない性質」ってのは分かるんですが、もーちょっと配慮していただきたかった、そんなキモチ。
あと気になるのが、
いかがなものか。